完全復活!とこの日の日記に書くつもりだったけど、
実際は「あんまり回復していないけれど以前よりはいいのではないか」という回復具合となった。
絶対1週間で元気になる、というのもまた自分にプレッシャーをかけていたようだった。
けれど、
「別に治らなくてもいいし、
うまく症状と付き合えばいいし、
わるいようだったら1週間と言わずずっとうちにいればいい」
とお義母さんが私に何度も声をかけてくれた。それで気持ちが落ちついた。
気負っていたものがなくなって、ゆったり自分に向き合えるようになった。
自分はこれまで元気が取り柄だったもんだから、
いきなり具合が悪くなるとどう対処していいのかわからなくなる。
突然視界ががくんとゆれて卒倒している自分や、
きびきび歩けずそろりそろりとバスのステップを上る自分なんて受け入れがたいし、
ご飯を食べ終わったあと頭痛で椅子から立てない自分とどう接していいのかわからない。
けれど、バスのステップならのんびり歩けば運転手さんだって待ってくれるし、
余裕を持って行動すればゆっくり歩いても焦らないし、
床に落ちたものは、寝ている旦那さんをゆさぶり起こして(笑)ひろってもらえばいい。
ただ、それだけのことだ。
そう思うと、私はこれまでゆったりバスのステップを上るご年配の方を
心の奥底では受け入れていなかったことに気づく。心が狭く、想像力に欠けていた。
誰かに頼ることもできるだけしてこなかったことにも気付く。
自分のことは自分でやり、できるだけ誰かに「迷惑」をかけないようにしてきた。
頼られれば人は嬉しいものなのに「迷惑」と言い張り、気負ってばかりいた。
ゆっくりと階段を昇る度に、自分が見ていなかった世界が見えてくるようである。
世の中には知らないことばかり。
日々を過ごす度、自分の未熟さを想い歯噛みするけれど
気負わず自分を受け入れられるようになれば、周りに対してもやさしくなれるのだろうか。