■哲学者たらんとする誘惑■~よき意図だけでは無能の言いわけ~ | ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬

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”なんの浮世は三文五里よ。ぶんとへのなるほどやってみよ。”
乙女姉やの失意の手紙への返信に記した、龍馬のポジティブ思考が表れている言葉
”くよくよせずに前向きに行こう”と勇気づけられる。
同様にドラッカーの言葉も、時代を超えて様々な示唆に溢れています。

おはようございます。

青空のもと、寒い朝を迎えました。

好天の週末です、温かくしてお楽しみ下さい。

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現代社会は、組織社会であると共に、
知識社会であり、その中でマネジメントの役割は
決定的に重要となる。

ドラッカーは、
この組織社会におけるリーダー的階層は、
マネジメント以外にはありえないとする。

そして、マネジメントの専門知識を持ち、
マネジメントの専門家として活動するだけでは
本来あるべき機能を発揮できないと続ける。

ドラッカーはマネジメントの役割を次のとおり示す、

▲組織に本来の使命を果たさせること
▲働く人が生産的な仕事を行い成果をあげさせること
▲組織の行う事業が、より良い社会創りに貢献し、
そこに生活する人や組織に働く人によりよい環境を提供すること

しかし、その社会意識を自覚し、主張するだけでは意味がない。
ドラッカーはここに、”哲学者たらんとする誘惑”があるとする。
成果を出さなければならないのだ。

いかに上手に描いても、絵にかいた餅は食べられない。

病院は病気を治し、企業はより良い製品を提供し、
国は国民の安全を守らなければならない。
組織がこれらの成果をあげることこそ、
マネジメントの役割なのだ。


「よき意図は無能の言いわけにならない。

 いわゆる社会意識が、自らの企業、病院、大学に

 本来の成果をあげさせるべく

 マネジメントすることの代わりになるとする考えは、

 愚かさか狡さか、あるいはその両方を示すにすぎない。」

~P.F.ドラッカー「マネジメント」

(第9章 マネジメントの戦略 45 マネジメントの正統性)