ドラえもんの人事考課 | 人事コンサルタントのブログ

ドラえもんの人事考課

 一般的な育成型能力主義の人事考課のルールで「ドラえもん」を評価すると、次のような感じかな!?


1. 考課対象と主な行動事実
テレビアニメ「ドラえもん」の内容とコミックの情報を参考に人事考課を行う。


2.人事考課の考え方
 成績考課、情意考課、能力考課の3大項目に分けて人事考課を行う。
成績考課は期待役割や目標など職務基準の達成度により評価する。
情意考課は規律性、責任性、協調性、積極性の4つの要素に分けて、行動や態度を評価する。
能力考課は、行動や成果から判定できる能力をわかる範囲で分析的に評価する。
評価は各項目(要素)ごとにSABCD(54321)の5段階で判定し、最後にウエイトを設定して総合評価を計算する。


3.成績考課
 ドラえもんの職務基準を「のび太のひ孫の依頼を受けて、ダメな御先祖のび太を救う、のび太をりっぱに成長させること」と考えれば、のび太君の成長にはまったく進歩がないので、期待水準を下回るCと判断せざるを得ない。(のび太くんが成長するとストリーが終わってしまうという点はあるが)


4.情意考課
 のび太くんを立派に成長させるという使命を持ちながら、友達感覚で一緒に遊んでいる、また、のび太くんのワガママに負けていろいろな道具を貸してしまうという点から、責任性はCと判定する。
 同じのび太の友達であるジャイアンやスネオに対する対応と静香ちゃんに対応が異なるので協調性は「選り好みのある協力をするC」と判断する。
 また、いろいろな道具を使い20世紀では法律違反になるようなことも、堂々と行っているので規律性はDと判断する。


5.能力考課
 知識は高いが22世紀のロボットであることを考えると標準Bと判断できる。
指導力に関しては、口ではナンダかんだ言いながらのび太くんの言いなりになってしまい、その結果、いつも事件を起こしている点を考えるとDと判断せざるを得ない。
 また、平気でのび太くんを傷つける発言をする点からも指導力はDとなる。

 傷つける発言の例

「もっとも君は、中身も悪いけど」
「あんなもの恐がるの、君ぐらいなもんだよ」
「両方の悪いところに似ちゃったんだな」
「ハッキリ言えば、ノロマだ、グズだ!」
「天地がひっくり返っても、モテっこない」


6.ウエイト
 職務基準が明確でないため、成績10%、情意40%、能力50%とする。

 

7.人事考課の結果
成績考課      C(2点)×10%=20
情意考課 規律性 D(1点)×10%=10
       責任性 C(2点)×10%=20
       協調性 C(2点)×10%=20
       積極性 B(3点)×10%=30
能力考課 知識  B(3点)×10%=30
       判断力 B(3点)×10%=30
       企画力 B(3点)×10%=30
       折衝力 B(3点)×10%=30
       指導力 D(1点)×10%=10
総合評価 500点満点で230点、100点満点にすると46点になる。

総合評価の区分を
 S 75点以上
 A 65点以上
 B 55点以上
 C 45点以上
 D 45点未満
とすれば、総合評価46点はかろうじてCと判定される。


8.補足説明
 ドラえもんの職務基準をどう考えるかにより、大きく変わってくる。
今回は「のび太くんを立派にすること」と考えたが、もし「視聴者に夢を与える」と考えた場合はまったく逆の結果になってしまうであろう。
 企業における人事考課も職務基準を明確にしないと適切な評価はできないことになる。

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