組織の重さ
組織が「重い」と、新たな方策を立てて組織が一丸となって行動しようとすると、多大な労力がかかったり、結局何も変わらなかったりする。(「組織の“重さ”―日本的企業組織の再点検」日本経済新聞出版社より)
逆に、「軽い」組織は、思い切った政策転換が容易で、新しいものを生み出していく創発力を持っている。
組織の重さを形成する4つの要素
1.過剰な和志向
一人でも反対意見が出るとまとまらない。変化を拒み、現状維持への志向が強くなる。
2.内向きの合意形成
市場や業界の動向よりも、組織内部の事情が優先される。
3.フリーライダー問題(「社内評論家」の存在)
評論家のように口は出すけれど責任は取らない人が多い。
4.経営リテラシー(基本的考え方)の不足
経営に関する基本的な考え方を理解していない管理職が多いと、的外れの方向に組織が動く。
「組織の“重さ”―日本的企業組織の再点検」日本経済新聞出版社 (2007/08)は、一橋大学の教授・准教授たちが、2003年から2007年にかけて、日本の組織の問題点を実証的に明らかにするために遂行されたプロジェクトの結果をまとめたものであるが、さらに、次のようなことも言っている。
個人的なネットワークや情報源を増やすことはよいことと思えるが、実際にはそれ以上のデメリットがつきまとう。
組織内に知人が増えるということは、支持者が増えることにつながるが、それ以上に説得者が増えることになる。
すなわち、根回しの必要な人数が増えてかえって手間がかかるということである。
今まで勘違いしていたかもしれない。