創業社長の人事管理
仕事柄、中小企業の社長を話をする機会が多いが、特に創業社長と賃金の話をしていると、次のようなことを感じる。
創業社長の場合、自分の評価が一番正しいと思っている。実際、それで良かったから会社もここまで成長してきたわけである。少なくても過去の分について、社長の評価が正しいかどうかは別にして、会社の成長にはプラスの効果があったのは事実である。
また、社長もそのように自負しているので、人事に関しては「規則やルールに縛られる」よりは、「自分の判断で行った方が良い」と思っている。
昇給や賞与はもちろん役職なども、「体系的なもの」ではなく、その時々で「会社の発展に良かれ」と思って決まってきている。
そのような社長が、急に「賃金制度を作れ」「評価基準を作れ」という時がある。それは自分引退を意識し始めた時だ。自分で想定する引退時期の5年位前から急にルール作りを急ぐようになる。
「今まで自分は正しい判断ができた」けれど、「後継社長はそれはムリだから自分がいるうちにしっかりしたルールを作っておこう」ということだろう。
まあ、これくらいの自信がないと創業社長として、やっとこれないであろう。