退職金制度の廃止 | 人事コンサルタントのブログ

退職金制度の廃止

 勤めている会社の退職金制度が変更されることになりました。賃金連動型から確定拠出年金型になるみたいです。それにともない今での勤続年数に対して、社員全員に退職金を出すとの事です。しかしながら、退職金の支払 い金額は満額ではなく、自己都合の退職金だそうです。このようなケースはあるのでしょうか?

 
 今回のように今までの退職金制度をいったん精算して、新しい制度に切り替えるという方法を検討している企業は多くありますが、この場合注意すべき点がいくつかあります。


 一つは税金の件です。
 現行制度を廃止して、現行制度で計算した金額を支給するとのことですが、この場合の支給分は一時所得になりますので、税金がかかります。
退職金として支給されれば退職所得になりますので、控除が多くほとんど税金はかかりませんが、一時所得の場合は結構税率が高いです。その分を会社が負担してくれるのかどうか確認してください。

 

もう一つは既得権の考え方です。
この場合、通常、既得権益と考えられるのは
・ 現行制度で今退職したらもらえる金額(会社都合係数で算出)
・ 賃金連動型の場合、「現在の基準金額×定年退職時の支給係数」 です。


 したがって、一旦精算する場合は会社都合(満額)の支給になります。ただそうはいっても、合理的な理由や代替え措置がある場合はこの限りではありませんので、その辺を確認する必要があります。

 

また、新しい制度の水準の問題もあります。現行制度と比較してどうなのかも検討する必要があります。


適格年金を解約した場合の税金につきましては、ホームページの記事も参考にしてください。
http://www.sabcd.com/03q&a/33q&a.htm#61