日韓併合を語るにはどうしても避けて通れない話がある。

 

「神功皇后の三韓征伐」だ。

 

日朝同祖論なら聞いた方はたくさんいるだろうが、この「神功皇后の三韓征伐」という言葉を耳にした方がいるだろうか・・・。ほとんどいないのではないか?この神功皇后と日朝同祖論の二つの話なしに日本は朝鮮を侵略することが不可能であった。なぜなら日本がなんの理由もなしに、朝鮮を侵略すれば、国際社会から批判を食らうのは避けられないためだ。そこを日本人は恐れていた。朝鮮侵略を国際社会から認められ、合法的に乗っ取るには、日本はどうしても口実作りが必要だった。その口実作りが、神功皇后の三韓征伐と日朝同祖論である。

 

日本人の語る「神皇后の三韓征伐」

神功皇后は日本人であり、三韓(百済、新羅、高句麗)を征伐して日本の朝貢国とした。そして日本は、朝貢国百済を拠点として、依然として朝鮮半島に強大な勢力を保持し続けた。これが日本人の主張だ。この説が正しいとなると、神功皇后は、朝鮮半島侵略の元祖であり、よって、「日本は古代から朝鮮を属国としていた」ことになる。しかも、日朝同祖論とは、日本人と朝鮮人は、祖先が同じであるとういう意味である。この二つの口実を合わせると、こうだ。

 

朝鮮は、古代日本の属国であり、しかも日本人と同じ血を引く同じ祖先を持つ。ならば朝鮮を併合しても国際社会からとやかく言われる筋合いはない。このあまりにも見事な口実作りが功を奏し日本は朝鮮侵略に成功します。しかも、朝鮮侵略を断念したアメリカが、日本の朝鮮侵略を後押ししています。

 

一方、韓国側は日本の主張を認めていない。韓国側は、神功皇后が新羅人であって、韓国の内紛に日本が巻き込まれただけで、とても三韓征伐などという規模ではなかったと主張する。

 

皇后の三韓征伐など、こんな話聞いたことがない!日本の歴史家の一体誰が言っていると言うのか!

と言ってくるだろうが、歴史家が教えようとしないだけだ。日本の歴史家は皆、隠したがっている。これも隠蔽の一つ。当時の日本には、神皇后の話が持ち上がっていたのだ。しかも、朝鮮と言い争っている。

 

小室直樹いわく

「この神功皇后の説は、その後の日本人の思想と行動に大きな痕跡を残した。日本人が、いきなり朝鮮半島を征服しようとするとき、正当性根拠として、いつも、神功皇后が持ち出されるのである。その理由は、神功皇后の征服いらい、三韓(朝鮮半島)が、日本を版図であるからという一方的な理由によるものだ。それゆえ日本は朝鮮への出兵も征服も自由だとし、また日本が何か朝鮮に要求があれば、いつでも朝鮮は日本の要求に従わなければならない。と、こういう理屈をたてたのだ。」

 

ゆえに、日韓併合を語るにおいて、この神功皇后の三韓征伐を抜きにして語れない。どうしても今、書かなければならなくなった。面倒くさいけど今キーボードを叩いています。

 

神功皇后の三韓征伐を理由に、日本が朝鮮を侵略しただと!そんな話だれも語っていない。どこにそんな話があったという証拠があるのか!

といった声が聞こえてきそうだ。証拠がほとんど焼却されてしまったが、わずかな証拠は残っています。これだ。

 


この紙幣に描かれている人物こそ、神功皇后だ。これは、日本人がつくった紙幣で、刷られた時期は、1878年である。1876年、日朝修好条規を結ばせ朝鮮を武力で開国させた2年後のことである。これ、本当に日本の紙幣?って思いますよね。おもっきり西洋風の図柄になっています。それもそのはず、この原版はイタリア人技術者エドアルド・キヨッソーネが作成したためだ。イタリア人が描いたから神功皇后というアジア人が、西洋風の美人に描かれているのだ。

ウィキペディアでも参考にしてください。

このキヨッソーネですが、明治天皇の肖像画も書いています。

 

小室直樹いわく「独立国どうしでありながら、日本のお金を朝鮮国内で使わせろなんて、図々しさでは人語に落ちたことのないイギリスも、これには兜を脱いだ。」

おそらく、日本が朝鮮国内で使わせた紙幣がこの神功皇后の紙幣だったのだろう。なぜ日本人は、朝鮮を武力で開国させた後、古代の神功皇后の肖像画の紙幣を刷ったのですか?しかも朝鮮人に使わせている。なんで?って思いませんか?この疑問は、次のように考えると、つじつまは合います。

 

イザベラ・バードさんのような、西洋人が朝鮮に来て、この神功皇后の紙幣を朝鮮人が使用しているのをみたら、どう思いますか?

何を疑うこともなく、こう思うでしょうね。

日本人が言うように、「朝鮮は、古代から日本の属国なのか・・・、ならば日本が清から朝鮮を独立させ朝鮮を侵略しようがしまいが、我々西洋人が口を挟むべき問題ではない。」とこうなるだろう。なぜなら、西洋でも為政者が、紙幣の肖像画に描かれるものだからだ。その為政者の紙幣を朝鮮人が使っているということは、朝鮮は古代、日本の属国であったことを朝鮮人自信が認めている。このように考えるのが西洋人からすれば普通ですよね。

 

よって日本が朝鮮人に無理やり神功皇后の紙幣を朝鮮人に使わせる必要があったのは、国際社会に、「朝鮮は古代、日本の属国だよ、しかも祖先が一緒、同じ民族だよ」、と錯覚させるためだと考えられる。国際法をかいくぐるための口実作り、それしかないではないか?なぜ大昔の人物である神皇后の紙幣をわざわざつくったのか?日本の征韓論は正当行為であることを国際社会に認めさせるためだ。このように考えるとすんなり理解されます。

 

だとしたら、韓国はどう思うだろうか?考えてみてください。

 

韓国人は神功皇后を日本人だなんて認めていない。韓国人はこう主張している。神功皇后は新羅人であって、韓国の内紛に日本が巻き込まれただけで、とても三韓征伐などという規模ではなかった。神功皇后は新羅の一部族でお家騒動があったとき、族長の娘の一人が追い出された人物だそうだ。追い出された彼女は、日本へおしわたり、天皇と結婚して復讐の軍を起こして新羅に攻め込んできたという。そして神功皇后は、朝鮮を征服などしていなかった。つまり朝鮮は、古代から日本の属国なのではなく、完全な独立国であったというのだ。

 

となると、韓国人は、神功皇后の肖像画がかかれた日本紙幣を無理やり使わされたということは、朝鮮は古代、日本の属国であったということを、朝鮮人自ら認めたことになるのだ。韓国人にとって、これほどの屈辱があるだろうか・・・。たとえ、日本の天皇が百済人でなかったとしてもだ。朝鮮は、独立国でありながら、無理やり日本の属国であるという嘘っぱちを神功皇后の紙幣を使わされることによって、認めさせられたのだ。となると、韓国の日本人に対する怨念はすさまじいことが、嫌でもわかる。韓国は恨(ハン)の国とよく言われるが、当たり前である。韓国は日本政府に歴史教科書を書き換えるように要請したらしい。それにもかかわらず、日本は一切無視。こりゃ日本国旗を踏みつけたくもなる。この韓国の気持ち考えるだけで哀れだ。侵略されるというのは、ここまで悲惨なのか・・・。私は日本人に生まれて本当によかったと、つくづく思います。

 

朝鮮は昔から中国の属国である。というのも日本が朝鮮を侵略するための、日本人が作り上げた口実だと考えられます。国際社会を騙すためにです。朝鮮が日本と全く別物の国なら、日本が朝鮮のために清から独立させてあげるというのは、国際社会から見て、不思議な行動にしか見えません。何の義理があってそんな事をするの?侵略したいからでしょ?と、こう思われかねない。しかし、朝鮮を中国の属国である。ということにすれば、「日本は朝鮮の独立を勝ち取るために、日韓併合をしてあげた」という正統的な口実が作られるのだ。国際社会から批判を食らわないために、ついた日本の嘘だ。このように考えれば、すべての辻褄があってくる。

こんなことをいうと、「は?朝鮮は昔から中国の属国ですよ!おばかさん!」という声が聞こえてきそうだ。朝鮮はむかしから中国の属国ですよ。なんて批判してこないでくださいね。あなたたちの言いたいことは手に取るように分かります。嫌韓流さんが、「大清国属 高麗国旗」の話を持ち出し、韓国の歴史捏造だ!と言うのは目に見えている。ところが、日本人はむかし朝鮮を独立国だと認めていますよ。公的文書の中に明記されていました。これは覆しようのない証拠です。しかし、日本政府やマスコミ、歴史家はこのことを隠蔽してしまいました。この話はまた次回、必ず取り上げる。

 

また、韓国人は言う。日本の天皇は、百済人の子孫、天照皇大神(あまてらすおおみかみ)の子孫だ!

百済は近肖古王の時代に、版図を広め、部族連盟の状態を脱し、王権を強化して、古王朝を確立した。この近肖古には二人の王女がいた。そのうち一人は新羅の王妃になり、もうひとりは、雲にのって何処かへ行ってしまい、ようとして行方が知れなくなった。ここまでが伝説。ところが、この伝説を現代の韓国人は、彼女が日本へ行って天照皇大神(あまてらすおおみかみ)となったと解釈する。つまり彼女が日本の皇祖だというのである。

 

この説が正しいとなると、朝鮮は古代から日本の属国なのではなく、完全な独立国であり、むしろ日本の天皇は、百済人であって、皇室の成り立ち、そのものが朝鮮であり、日本は朝鮮人によって収められた国である。と、こうなるのである。

 

そして、天皇は、自らこのようなことを言いました。

「私自身としては、桓武天皇の生母が、百済の武寧王の子孫であると、続日本記に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています。」

過去ブログ 天皇陛下!何ということを!

http://ameblo.jp/s080226/entry-11465896952.html 


そして小沢一郎も、このような話をしました。

「日本の東京大学の教授、歴史家の先生でありまして、えがみ先生という方がおられました。この先生は、神武天皇という日本の初代の天皇が、朝鮮から渡ってきて、九州、そして奈良にわたって政権を取りました。」

「大阪に、ごうじん?天皇、仁徳天皇という古代の天皇の大きなお墓があります。未だこれは宮内庁の管轄にありますが、発掘されることを許されていません。えがみ先生は幹事長であった私(小沢一郎)に、ぜひ宮内庁に行って、ここを発掘させて欲しい。そうすれば、日韓の歴史が解明されると、そんなことを申しておりました。

たぶん、歴史的事実ではないかと思っております。」

 

嫌韓流問題を解決する最も速い手段は、ごうじん?天皇、仁徳天皇という古代の大きなお墓を発掘することだ。これで、日本の歴史認識が偽造なのかどうかが、はっきりする。たとえ、日本人が朝鮮を侵略した証拠を燃やしてしまっていてもだ。

話を戻して、

日本がいきなり朝鮮を征する口実は何か?一にかかって、「神功皇后の三韓征伐」にあった。

小室直樹いわく

「戦後の日本にとっては、日本の韓国侵略は、なすべからざることであった。ゆえに日本の学者は、躍起になって神功皇后の存在を否定する。神功皇后とは、架空の人物であって、かつて存在したことはないというのである。しかし、神功皇后を否定してしまうと、今度は韓国侵略の好日作りもまた否定されてしまうのだ。

韓国側は、神功皇后が韓国人(新羅人)であって、韓国の内紛に日本が巻き込まれただけで、とても三韓征伐などという規模ではなかったと主張する。こうなると征韓論の正当性根拠は失われてしまうのだ。」

 

この矛盾。だから渡部昇一も、黄文雄も、秦郁彦も、西岡力も、絶対に神宮皇后の三韓征伐の話を持ち出さない。代わりに日朝同祖論と朝鮮属国説を取り上げ、日本の侵略戦争を善政であったと正当化する。だから、保守派も嫌韓流も在日さえも、神功皇后の話を知らないのだ。

 

実は、秀吉の朝鮮征伐もこの日本人が作り出した「神功皇后の三韓征伐」というウソかマコトかの論理を正当理由として行っている。秀吉が明征伐にあたって、朝鮮の王に道案内を命令したのも、神功皇后の三韓征伐いらい、朝鮮は日本の属国だと思っていたからである。

  


ついでに切手も。これも神功皇后で、朝鮮で使われたものだろう。

 

今の嫌韓流の主張。

「日本は、朝鮮を清から救ってやった!日朝同祖論は、朝鮮が日本の血税を搾取するために、作りだした韓国人のウソ話だ!日韓合邦は、朝鮮が望んだからしてやったんだよ。朝鮮が近代化させて下さいと、日本に頼みに来たから、望みを叶えてやった!朝鮮を貧乏から救ってやるために、日本の血税を赤字になるまで投資し、朝鮮人に誠意をもって答えた!その美しい心をもつ日本人に恩を仇で返すとは、韓国朝鮮人は、なんてクソ民族だ!」

 

などという解釈は、とんでも話だ。韓国人からすると、怒りを逆なでしている。私は日本人でありながら韓国人がいきり立つ気持ちが痛いほど良く分かる。嫌韓流さん。あなた方がどれだけ恥ずかしい行動を取っているか、分かりますか?私からすれば、あなた方の行動は、赤っ恥だ!同じ日本人として恥ずかしい!

 

参考文献

韓国の悲劇・韓国の崩壊・韓国の呪い  小室直樹著

これだけは知っておきたい 日本と韓国・朝鮮の歴史  中塚明著