第7174回「トリック劇場版4 ラストステージ その1、感想、すべては母之泉から 堤幸彦監督」
第7174回は、「TRICK トリック劇場版4 ラストステージ その1、感想、すべては母之泉から 堤幸彦監督」(2014年)です。トリック・シリーズにつきましては、全話ブログに取り上げています。面白い思考実験コメディです。シリーズ第1話「母之泉」について書いたブログから冒頭部分を引用します。
『 堤幸彦監督は、連続ドラマ「ケイゾク」(中谷美紀さん主演)を撮りおえた後、今度は宗教だと書いていました(「ケイゾク 小説版」あとがき)。それを継承してのことかどうかは分りかねますが、新たな連ドラにチャレンジしたのが「TRICK トリック」です。実に弁証法的なドラマです。
① 正(テーゼ)・・・・超能力は実在するという立場です。ドラマに登場する超能力者は、自らの能力で、新興宗教の教祖とかカリスマになっています。もちろん、何らかの利得を得ています。
② 反(アンチテーゼ)・・・・「全ての超能力はマジックで再現可能である」、魔術師フッディーニの言葉を実践するかのごとく、凸凹コンビの山田と上田が活躍します。
③ 合(ジンテーゼ)・・・・それでも、超能力者は存在する、これが明かされるとき、ドラマは終わると思います。・・・・ 』
母之泉の女教祖(菅井きんさん)は、死の直前に山田奈緒子(仲間由紀恵さん)に告げています。「真の霊能力者は実在する。お前はその者に殺されるであろう」、女教祖の予言は実現するのでしょうか。完結篇での最大の注目点です。なお、菅井さんの肖像が、スンガイ共和国の紙幣などに描かれています。
そして、第1シーズン完結編「黒門島」のエピソードで明かされた事実も活きてきます。母親・里見(野際陽子さん)の霊媒師としての血は、菜穂子にも流れていたという展開でした。
「超能力者は存在しない」という否定命題は、悪魔の証明ともいう難題です。証明できるのは、個々の超常現象はトリックだということだけです。UFOも同じです。上田次郎(阿部寛さん)は、そして、山田奈緒子は、真の超能力者に遭遇することになるのでしょうか。
(追記1) 「ラストステージ」のストーリーにつきましても、ブログに書いています。興味がありましたら、アクセスしてください。
http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-11750708948.html
(追記2) 重要なエピソードとなる2話について書いたブログは次のとおりです。
「母之泉」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10526460411.html
「黒門島」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10527662585.html
(補足) 冒頭の写真は、"シネマトゥデイ"から引用しました。