第2967回「アナコンダ ストーリー、ネタバレ、最高水準のスネーク・ホラー」(サバイバル映画) | 新稀少堂日記

第2967回「アナコンダ ストーリー、ネタバレ、最高水準のスネーク・ホラー」(サバイバル映画)

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 第2967回は、「アナコンダ 最高水準のスネーク・ホラー」(サバイバル映画)です。よくできたホラー映画です。1997年、日本で劇場公開されました。まず、この映画で驚いたのが、既にメジャーだったジェニファー・ロペスが、ホラー映画に出演していることです。劇場に足を運んだ大きな理由の一つに、やはりそのことがあったと思います。


 モチーフからして、B級映画を予感していたのですが、うれしいことに、見事に予想は裏切られました。ただ、B級映画であることに間違いありませんが、よくできた映画なのです。文化人類学者のケイルは、パートナーのテリー(ジェニファー・ロペス)とともに、総員7名の探検隊を組織します。目的は、アマゾンで、"霧の民"と呼ばれるシリシャマ族のドキュメンタリを製作することです・・・・。


 民族の名前が示していますように、アマゾンの支流に暮らすシリシャマ族の周辺は、霧が深く立ち込めています。川船が霧の中を遡行するシーンは、雰囲気をかもし出しています。探検隊は、アナコンダを密漁しているサローンを救出します。それが、彼らの運命を狂わすことになりました・・・・。ここで、わずか8名の登場人物を紹介します。


① ケイル・・・・ 若き文化人類学者、探検隊の隊長格ですが、猛毒性の蜂のため、以降、寝たきりとなります。

② テリー(ジェニファー・ロペス)・・・・ 映像作家、本編の主人公です。意思の強い女性です。ケイルの恋人。

③ ダニー・・・・ 黒人のカメラマン、タフな男性です、ラスト、テリーと共に戦います。

④ ウェストリッジ・・・・ リポーター、操船も担当しています。船旅の途上、ゴルフの練習に興じます。気の弱い一面があります。


⑤ ゲアリー・・・・ 若い録音技師です。救出されたサローン(⑧)に積極的に加担します。

⑥ デニス・・・・ マネージング担当の女性、ゲアリーの恋人です。

⑦ マテオ・・・・ 白人の現地人ガイド、サローン(⑧)としめし合わせて、アナコンダ捕獲を意図していた人物です。
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⑧ サローン・・・・ 最も存在感のある人物です。時に、聖書を引用しますが、悪魔的な人物です。アナコンダ捕獲による一攫千金を夢見ています。演じたのは、ニューシネマの代表作「真夜中のカーボーイ」にも出演したジョン・ボイトです。悪を演じきっています。ある意味、"アナコンダ"に匹敵するような存在です。「白鯨」(モービー・ディック)のエイハブ船長を、私は連想しました。写真は、ウィキペディアから引用しています。


 ケイル(①)は、水中をダイビング中に、トラブルを起します。引き上げられた彼の口の中には、猛毒性の蜂が見つかります(この映画の中で、数少ない不自然なシーンです)。気管を切開し、一命を取り留めますが、最寄の病院に搬送する必要があります。そのガイドを引き受けたのが、サローン(⑧)です。


 川船は、支流に入っていきます。川岸には、アナコンダをモチーフとしたトーテム・ポールが立てられています。シリシャマ族のエリアに入っていることを証明しています。川には、シリシャマ族が作ったのでしょうか、川の中にバリケードが築かれています。サローンは、強引にダイナマイトで破壊します。彼は、ダイナマイトも持ち込んでいたのです・・・・。


 サローン(⑧)の目的は、あくまで巨大アナコンダの捕獲です。生きたまま捕えられれば、100万ドルになると豪語します。異変は、恋人同士であるゲアリー(⑤)とデニス(⑥)が、森の中で抱き合っていたときに起ります。何ものかが、2人を追いかけてきたのです。サローンは、銃を発射します・・・・。船に残っていたものに、衝撃が走ります。ですが、3人は無事帰ってきます、襲ったのはイノシシでした。


 最初にアナコンダに襲われたのは、現地ガイドのマテオでした。他のクルーたちの目の届かないところで、アナコンダの犠牲になります。当然、クルーたちは、彼が戻ってこないことに疑問を感じますが・・・・。次に襲われたのは、デニス(⑥、女性)の恋人ゲアリー(⑤)です。アナコンダに丸呑みされます。水中を泳ぐアナコンダの腹部が膨れ上がっています。腹部には人間の顔がくっきりと浮き出ています・・・・。


 サローンは、最早目的を隠しません、完全に船を掌握したのです。テリー(②)の反撃が始ります。彼女は、サローンを誘惑したのです・・・・。黒人のダニー(③)とウェストリッジ(④)は、サローンを殴打し昏倒させます。サローンは、船上に縛り上げられたのですが・・・・。その時、船は座礁します。


 これからは、急速に展開します。以下、最後まで書きますので、ネタバレとなります。誰がアナコンダの犠牲となり、誰が生き残るのでしょうか。現在の生存者は、6名です。


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 黒人のダニー(③)は、ウィンチを使って、船を河床から引き揚げることを提案します。そのためには、アナコンダが徘徊している川の中に入る必要があります・・・・。ダニー、テリー(②、ジェニファー・ロペス)、ウェストリッジ(④)の3人は、川に入っていきます。


 一方、恋人をなくしたデニス(女性⑥)は、ナイフでサローンを殺そうとしますが・・・・・。返り討ちにあいます、デニスに、首の骨を折られます。サローンは、ナイフで、ロープを斬りおとします。川の中では、やはりアナコンダが現われます・・・・。ダニーとテリーは船に戻れましたが、ウェストリッジは滝の裏側に逃げ込みます。


 ですが、アナコンダは滝を登ります、ウェストリッジは滝つぼ目指して飛び込みますが、アナコンダは、空中でウェストリッジを捕獲します。劇場で見た際、最大の驚愕のシーンでした。アナコンダの動きが、実に見事なのです。アナコンダは、川に飛び降ります。その衝撃で、船は川底から離脱しますが・・・・。テリーは、ライフルで、アナコンダを撃ち殺します。


 ですが、船上では、サローンが再度、支配権を確保しました。アナコンダを殺されたサローンは、怒り狂います。ですが、これまで寝たきりであったゲアリー(①)が、麻酔銃で、サローンを撃ったのです。サローンは、川に落ちます・・・・。ダニーの操縦で、船を進めます。廃木材工場でしょうか、ダニーとテリーは、燃料を探しに行きます。


 燃料は見つかったのですが、サローンは死んでいなかったのです。アナコンダの餌として、二人は捕えられたのです。天井からアナコンダが現われます。何度見ましても、やはり凄いシーンです。サローンは、事前に網を仕掛けていたのです。アナコンダは、網を食い破り、サローンを飲み込みます。


 ダニーとテリーの生存をかけた闘いが始まります。逃げるうちに、その廃工場には、アナコンダの子どもが多数いました。テリーは、アナコンダが未消化のサローンを吐き出すのを目撃します。当然、あの悪魔的なサローンも死んでいました・・・・。


 ダニーの計画は、アナコンダを煙突に誘き出し、燃料で焼き払うというものです。テリーがおとりになります・・・・。間一髪、テリーは脱出しますが、燃え上がるアナコンダは、執拗に二人を追い回します。ですが、二人はアナコンダに止めを刺します。


 生き残ったのは、隊長のゲアリー(①)、テリー(②)、ダニー(③)の3人だけです。彼らは川を下ります。その時、ボートをこぎ寄せる者たちがいたのです。シリシャマ族です。3艘のボートで、川船に近づいてきたのです。もちろん、テリーは、ダニーにカメラを回させます・・・・。


 見事なホラー映画です。ストーリー的にも破綻がありませんし、何よりもアナコンダの動きが素晴らしいのです。第2作では、アナコンダの巨大化の理由が語られています。南米に棲息する蘭の一種は、分裂限界を制御するテロメアに作用できるのです。分裂限界を超えて、細胞が分裂し続けたアナコンダは、通常では考えられないほど巨大化した・・・・、面白い発想でした。ただ、夜間シーンが多いのが難点の映画でした。


(追記) 「アナコンダ3」については、既にブログに書いています。

http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10440793812.html