第1625回「アナコンダ3」(動物ホラー) | 新稀少堂日記

第1625回「アナコンダ3」(動物ホラー)

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 第1625回は、「アナコンダ3」(動物ホラー)です。パート1は、面白い映画でした。とにかくアナコンダの動きのいいのです。VFXのなせる業です。そして、ジェニファー・ロペス、新しいヒロイン像の誕生でした。


 さらに、パート2では、テロメアをモチーフとしています。ある種の蘭が、細胞の分裂限界を抑止するというものです。そのため、最大でも9メートルといわれるアナコンダがさらに巨大化したというストーリーでした。


 パート3では、そのテロメアの謎にさらに切り込んだ内容になっています。テロメアとがん細胞との関係について、ウィキペディアから一部引用します。なぜ、自然は分裂限界を設定したのか、理解しやすいからです。


 『 テロメアやテロメラーゼは、細胞の老化や不死化と呼ばれる現象に重要な役割を担っており、これを介して生体の恒常性維持やがん化とも密接に関連していると考えられている。


 ヒトなどの動物組織から取り出した初代培養細胞は分裂回数が制限されており、一定数の分裂を行うと細胞周期が停止してそれ以上は分裂できなくなる。この現象を細胞老化と呼ぶ。これに対して、がん化した細胞などは際限なく分裂することが可能であり、この形質を細胞の不死化と呼ぶ。


 ここでいう「不死」とはその細胞自体が死なないという意味ではなく、細胞が分裂の永続性を獲得しているという意味である。ゲノムの安定性という点から考えると、老化と不死化は相反する現象ということができる。


 つまり不安定になったゲノムは老化によって不安定化を抑制したり、一時的に老化状態にすることで修復する猶予を与える仕組みを備えており、がん細胞のような不死化細胞はそれらの監視機構を逃れた状態にあると言える。ここにテロメアやテロメラーゼが大きく関与していると考えられている。 』


 製薬会社の会長は、末期がんのため、死が迫っています。そのため、蘭から抽出された細胞の分裂限界を抑止するエキスの研究を進めていたのです。当然、不死を約束する新薬が開発できれば、莫大な利益を手に入れることも可能です。


 研究所には、オス、メス一体ずつのアナコンダが飼育されています。メスは腹に卵を抱えています。そのアナコンダが逃げ出したのです。ここからは、「エイリアン」シリーズと同じ展開となります。アナコンダを壊滅すべき女性科学者アマンダと、利益のために捕獲しようという一派(会長派)が対峙します。一匹、1千万ドル、たしかに欲に目がくらみましても不思議ではありません。


 舞台は、中南米の某国なのでしょうか。卵が孵化すれば、その国は滅びます。アマンダの仲間が、自爆によりオスを吹き飛ばします。アマンダは、孵化したアナコンダとも、メスを吹き飛ばします。しかし、1匹の生まれたばかりのアナコンダが・・・・・。パート4に続くという展開です。


 パート2は夜間シーンが多すぎて、面白みにかけましたが、パート3ではほとんど日中のシーンですので、それなりの満足感はあります。ただ、低予算ですので、VFXにおいて、パート1ほどの迫力はありません。パート1は、なんてったって、ジェニファー・ロペスがかっこよかった、というのが実感です。ストーリー展開もたくみでした。動物ホラーのツボを押えていました。