米国大統領選において、共和党トランプ候補が圧勝しました。

様々な論調がありますが、私はトランプ氏の経済政策は基本バージョンアップしたアベノミクスだと考えています。法人減税、金融規制緩和、財政出動。

つまり関税以外根幹を成すものは一緒なのです。

「強い経済を作る」このフレーズが全てを物語っているのですが、経済政策より私が危惧しているのは外交政策です。

トランプ氏はしきりに言っています。
「自分の国を自分で守れない国が、独立国家足り得るのか」

私は彼が共和党泡沫候補と言われながらも力説する姿にハッとさせられたのをよく覚えています。

実は同じ様にハッとさせられた経験が3年程前にありました。香港でヘッジファンドを経営する友人から、中国共産党の政治家をご紹介頂いた時でした。

当時は尖閣諸島の問題が先鋭化し、まだ微妙な時期だったと記憶していますが、次の言葉に私は驚きを隠せませんでした。

「今の心配は、尖閣問題で日本と紛争に発展しないかという事。軍部は暴走する可能性もある」

「紛争」それは尖閣諸島問題に端を発した戦争を意味する言葉であり、日本人はいかに平和ボケをしているのか、身につまされる思いでした。

この時の発言が伏線となり、トランプ氏の発言に再び衝撃を受ける事になるのですが、日本人は複雑な問題をより複雑にしている気がします。

未だにトランプ氏を何も分かっていない馬鹿だと揶揄する人々も多い中、彼は常にシンプルなんだと思います。

日本車に38.5%もの関税を掛けるという徹底した国内保護の貿易政策、中国も北朝鮮も日本は自分だけで戦えと言い切った安全保障政策、ドル安で輸出を増やすという通貨政策。

近代日本も歴史を振り返ればアメリカの外圧によって、その国の在り方を変えて来ました。明治維新、終戦、果たして、日本人はまたもやアメリカの外圧によって国と憲法の形を変えるのか。

今正にトランプ氏が日本のパンドラの箱を開けようとしていると感じます。