突然ですが、秋と言えば秋の虫です。
虫の音色を楽しむ国民は、日本人ぐらいではないでしょうか・・
私が小さい時は、鈴虫を飼っていまして、いつもそのキレイな音色に、風情を感じていました。
(リーン、リーンっと)
ところで、1匹の鈴虫が鳴いている状態で、その後にもう1匹の鈴虫が泣き出したらどうなるのか?
単純に1匹が2匹に変化したので、2倍の音の大きさになった訳です。
では、今、千匹の鈴虫が鳴いていて、先ほど同様に2倍の音量差を感じるには、どの位の鈴虫が必要でしょうか?
答えは、もうプラス千匹の、2千匹が必要なのです。
(2千匹の鈴虫の合唱も、凄い事になりそうですが^^)
この事を・・・
「ウェーバー・フェヒナーの法則」と言います。。
それは・・・
「人間の感覚量や心理量は、刺激量の対数に比例する。」のです。
簡単に言うと・・・
「人間の感覚の変化量は、モノサシの様な等間隔にはなっていない。」のです。
つまり・・・
「違いを感じるための必要量は、絶対量ではなく、その前の状態との相対量との比率。」で決まるのです。
では、いろいろな例を上げてみましょう・・
感覚で一番解かりやすいのは、視覚の明るさではないでしょうか?
真っ暗な映画館での鑑賞の後に、晴れている昼間の街に出ると、もの凄く眩しさを感じます。
ところが、蛍光灯で照らされているデパートでのショッピングをした後に、晴れている昼間の街に出たとしても、それ程の眩しさを感じません。
(視神経の構造とかの、どうのこうのはこの際気にしないで・・)
では、もう一つの例を・・・
目をつぶって、1本のボールペンを手の平に置き、もう1本のボールペンを置いた時と・・
携帯電話の様な重いものを手の平に置き、1本のボールペンを置いた時では・・
1本単位のボールペンの重さの感覚の差は、明白です。
2番目の例では、ボールペンが軽く感じるはずです。
(機会がありませたら、試してみて下さいネ・)
又、・・・
体重が50kgの細身の人が、10kg痩せた場合は、驚きますが・・
150kgの力士の方が、10kg痩せても、だれも気が付かないかもしれません。
そして・・
10kgのお米を、2倍の20kgにした場合と・・
20kgのお米を、2倍の40kgにした場合では・・
どちらも、2倍の差の、重さの感覚の変化量になるはずです。。(理論的には・)
実は、2倍の変化量の事を、+6デシベル(dB)と言います。
では・・・
冒頭の、鈴虫の話し・・
この事をアナログ式の針のメーターで表示した場合、
この2倍を、メーターで表示するには、たいへんな事になります。
1匹を1mmのスケールで表示するメーターだと、2千匹なので、全体で2メートルのメーターユニットの機材が必要となるのです。
どえらい事になりますね。
そこで、音声レベルを表示するには、対数表現のデシベル(dB)という単位を、使用するのです。
マイクから送られてくる信号電圧は、わずか1ミリボルトの電圧です。
つまり、1/1000ボルトです。
この信号を、録音機材に出力するために、1000倍の1ボルトまで、増幅します。
この場合は、1000倍なので、プラス60デシベル(dB)と表現します。
つまり・・・
デシベルの表現は、対数の計算で表すため、まさに人間の感覚にあった単位なのです。
したがって、音響の世界では、デシベルが使われるのです。
最後に、デシベルでは・・
1倍は0dB。。2倍は6dB。。4倍は12dB。。10倍は20dB。。100倍は40dBです。。
(今回の記事では、特に電圧比という事で書いています。)
音響工学の本でデシベルの事を調べると、「対数log」がどうのこうので、なかなか理解しずらいのですが・・
こんな感じで、印象的に覚えると、簡単に理解できます。
現場で働いている技術人には、logの計算方法なんて、必要無いですからね^^)
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ファースト世界ツアーのYMOのLIVE。
曲名は1000knivesです。
YMOはもちろんですが、「渡辺香津美」さんのソロギターが凄いです。
●PVは、コチラです。。。。。。。。。。
僕は、新宿PIT INNの最前列で、香津美さんの、生ライブ演奏が見れた事が、なによりも財産です。
そして、アナログシンセの音は、久しぶりに聴いてみると、心地よい音です。
デジタルシンセと違って、微妙な音の歪み方のほうが、人間の五感には合っている様な気がします。
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●前回のデシベルの記事は、コチラです・・・・・・