「ブラックホール」というネーミングは、流行語大賞ものです。。
なんとなく、ワクワクする名前ですね。
これが・・・・
「宇宙一大重量・大吸引力・逃げ出し不可能空間・しかも真っ黒・ついでにX線もいっぱい出してる」では、だれも覚えてくれませんから・・・
ブラック(黒)というあたりが、良いですよね。。
チョイ悪的で・・・
ちなみに、テレビのヒーロー物はと言えば・・
「白」は正義の味方、「黒」は悪者と、決まっています。
あのダースベイダーも、真っ黒でしたから・
そして・・
「赤」は主人公、「黄色」はお笑い系、「ピンク」はセクシー系、「青」は冷静派、「緑」は頭脳派、です。。
色のイメージって、意外と大事です。。
ブラックホールの話に戻りますが^^
では、なぜ黒いかというと、すべての光を吸収してしまうからです。
(ちなみに、カラスが黒いのは、光を反射せずに、吸収してしまうからです。夏は暑そうですね^^)
ブラックホールは、秒速30万キロメートルの光をも、吸収してしまう。
それ程の、巨大な重力です。
なんと、1立方センチメートル(サイコロぐらい)に、100億トンの重さ。
いったい、どんな世界なのでしょうか?
実は、ブラックホールの大きさとは、光すら脱出できない範囲の事をいいます。
その事を、「シュワルツシルト半径」と呼んでいます。。
ところで・・
ブラックホールが、どの様に誕生するかと言えば、太陽より8倍の重い星の最後の姿なのです。
星にも一生があり、こういった重い星は、最後に「超新星爆発」を起こして、周囲にガスを撒き散らします。
その崩壊した後の残骸が、ブラックホールとなります。
(もう少し軽いと、中性子星になりますが・・)
しかし太陽には、ブラックホールになるほど、質量がないのです。
という事で、太陽は遠い将来にブラックホールになって地球を飲み込む事は、無さそうです。
どうぞ、ご安心を・・
しかし、太陽は遠い将来に、「赤色巨星」という、ブクブク太った星になり、地球は飲み込まれて燃え焼けてしまいます。あ~ぁ
では・・・
なぜ、真っ黒で光らないブラックホールが、漆黒の宇宙から発見されたかというと・・・
X線(レントゲン撮影の時の・)を捕らえる事の出来る、電波観測のおかげなのです。
ブラックホールは、全ての物を飲み込んでしまうわけですから、周囲のガスも物凄い勢いで飲み込んでいます。
その激しい運動が、X線を発しているのです。
(この発見は偉大で、ブラックホールの中心部から上下に、X線や光や熱を噴き出しています。そして最後に爆発と蒸発をするのです。)
もう一つの発見方法として、すぐそばにある星が、ブラックホールと連星状態になり、その星が異常な動きをしていれば、発見できるのです。
なにしろ、飲み込まれている星は、たいへんな状況下におかれている訳ですから・。
それは、こんな例えがあります。
暗い照明の中での、ダンスパーティ会場。
黒いタキシードの男性と、白いドレスの女性が、仲良く向き合ってダンスしている。
男性は黒い服装なので見えなくても、白いドレスの女性の動きを見れば、男性の動きも予想がつくという訳です。
黒いタキシードがブラックホール。白いドレスが飲み込まれている星です。
では、白いドレスの女性は、どの星座なのか??
ここまでの話が長すぎですが、やっと登場です。
夏の大三角の一つ。
白鳥座のそばにある、青い星の9等星。
HDE226868と、名前がついていますが・・
ブラックホールとの連星と解かってからは、「白鳥座 X1」と呼ばれる様になりました。
地球から8000光年もはなれていますが・
ブラックホールの巨大な重力のため、歪められて引き伸ばされて、吸い込まれているのです。
ところで、我らが銀河系の中心部も、ブラックホールが存在しています。
って言うか、無いと困るのです。
太陽系が、太陽の重力によって、規則正しく公転をしている様に・・
銀河系が、バラバラにならずに、今の形を保っていくのも、中心部に存在するブラックホールの重力のおかげなのです。
つまりは、我が地球は、太陽と共に、2億年をかけて、銀河系の円盤を一周しているのです。
少なからずとも、私の身体は、銀河系中心部のブラックホールの重力を、感じていると思うと、感動ですよね。。
では、最後に・・
仮にブラックホール行きの宇宙旅行パックが、あったとします。
そして、いよいよシュワルツシルト半径に到達したとします。
それを、地球上から観測しても、何時まで待っても、なかなかブラックホールに吸い込まれません。
それはなぜか?
巨大な重力下を外から観測した場合、時間の進行がほぼ止まってしまうからです。(相対性理論)
では、宇宙船から眺める窓からの景色は、どうなるかと言うと・・
景色の色は青くなり、視界も狭くなり、
そして重力による時計の進み方が変化して、星達は物凄いスピードで運動している姿を、見るはずです。
その様なツアーには、怖いから、行かないほうが、良さそうですね。
(怖そうだもんなぁ~)
謎多きの、ブラックホール・
最近の学説では、熱を発する事が、解かりました。
熱放射をするという事は、もはや「ブラック(黒色)」では無いのです。
でも、このネーミングは、これからも永遠に、使われていくのでしょうね。。
↑白鳥座X1は、この図でいくと、十字の部分の下あたりですね。。。