久しぶりに芸劇ブランチコンサート「名曲リサイタル・サロン」へ行って来ました。
ヴァイオリンの石田泰尚さん&ピアノの實川風さん
白く輝くモダンオルガンが美しい
PROGRAM
バッハ=グノー:アヴェ・マリア
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第25番ト短調K.301 第1楽章 第2楽章
スメタナ:我が故郷より 第1曲 第2曲
ファリャ:スペイン舞曲/火祭りの踊り
ピアソラ:悪魔のロマンス(實川編)
實川 風:トッカティーナ~バッハとピアソラのテーマによる~
1999席完売との事。平日昼間で完売とは…いかに人気があるかが解ります。
過去、藤田真央さんの時このシリーズ初の完売と言っていた記憶がありますが、ラストを飾る人として凄い人を持って来た感。
初っ端のアヴェ・マリアで心が洗われた様に清々しく穏やかに。
そこからどんどん盛り上がり…というのが、石田流?
短時間なのに充実感半端ない。
このシリーズは司会が入り、アーティストもお話するのですが、石田さんは独特(笑)
見た目もちょっとした仕草も”組長”と呼ばれるのも頷ける感じですが、奏でる音も話す声も印象とは違って穏やかさを感じます。
それでふと…石田さんの声を初めて聞いた!って。
ここからは過去のお話。
昔々、石田さんが属していたオーケストラが都内にありました。
私がお世話になっている先生は、そのオーケストラに縁が深い人でした。
なので、私はそのオーケストラと歌う事が度々あったのです。
私は、コンマス席の石田さんを通り越して指揮者を見ていました。
初めて石田さんを意識した時、後ろ姿が細身な事もありボーイッシュな女性だと思い込みました。
なので、舞台袖ですれ違った時に男性と分かってビックリ。
私が余程アホな顔を晒していたのでしょう、石田さんが不敵にニヤッと笑った事は忘れられません。
その場所が芸劇。
合唱団とオケなんて、オケ合わせとゲネプロ、本番でしか会わないし、行動も別。
声を聞く機会はほぼゼロ。
激しい時は椅子から転がり落ち無いか心配になるほど熱の入った演奏をしてらしたな、あの頃は本当に楽しかったな…と、声を聞いた事で声を知らなかった過去の想い出が次々と。
多田美波 調 1990年
2階席へ行くエスカレーターの向かい側の壁面の美しいガラスの作品。
昔はこの前にテーブルを出してCDを販売していましたが、地震の後だったかな?危険だという事で別所にカウンターが出来ました。
1階席ロビーの隅っこに飾られたベートーヴェンの手紙の複製。
これは改修後どうなるんだろう。
薔薇のカーペット。
前回の改修前は都の銀杏マークを散りばめたブルーベースの物でした。
今回も変わるのかしら。
前回の改修前がいちばん歌を楽しんでいた頃なので改修後は数回だけ、今回の改修後はもう舞台とは縁が無いだろうと思うと何かが消えてしまう様で寂しい気もします。
なんて思いながらエスカレーターを降りて来たら「天使の死」なんてブルーな単語が(笑)
いや、アンコールも本気でサクサクッと、とにかく素敵な2人。
石田さんを支える實川さんの力量も凄い!
本当にコンサートって楽しい。
また2人の演奏を聴きに行きたいなって思いました。
ギャラリーではこんな写真展が。
「井上道義 音楽生活写真展 Voyage ‐音楽という名の通行手形-」(9/29まで開催中)
ご本人提供の写真、ご本人の言葉と共に紹介されています。
”2024年末をもって指揮台を降りる”
自分の道を自分で決めて行動する姿は美しくカッコいい。
「自分の中で輝いたものがこの写真展」
「写真は時の記録」との言葉がありました。
写真はアートか?を思い出しました。
音楽が聴こえそうな、輝きの瞬間を切り取った写真は…アートじゃないかな?
なんて思ってたら、こんな物を発見。
コロナで何も出来なくなった時にTOPコレクションの価値を再認識し、「見る」ことの意味を問い直す試みに発展したとの事。
転んでもただでは起きない、そのやる気が凄い!