闇の旅人 4話 | にゃんにゃんクラブ・東方本館

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ふと目が覚めるとあたり一面が雪原のように真っ白で、空と思われるものは薄っすらと水色に広がっていた。
「ここは・・・。」

周りには私以外誰もいなくなって、さっきまでのことが夢の・・・!
「私、確か自分の雷槍に貫かれて、それで・・・。あれ?」
私の体は何事もなかったかのように傷一つついていない。一体・・・?

「どうしてかって?それはそなたが妾の力を欲したからではないか。」
「あなたは!?」

そこには幼い少女が、なぜか立っていた。
「妾か?妾の名はルナ・アンヘル・カイド・デストルクシオンそなた自身じゃ。

「私自身!?何を言ってるの?こんな子供なわけがない。」

「理解できぬのも無理はない。順を追って説明しよう。まず、これは夢ではない。そなたと妾の意識下にある。実際のそなたは知ってのとおり雷槍に貫かれて、死にかけよ」
とても信じられる話じゃなかったが、とにかく今は信じるしかなかった。

「とりあえず信じるとして、どうして私は意識下にいるの?」
私はルナとやらに聞いてみた。
「理由は簡単よ。そなたは妾の力を求めた、そして眠っていた妾が覚醒しようとしている。その中でそなたと話すため妾とそなたは意識の深層にいるのじゃ。」
「そもそもあなたはなぜ、私の中で眠っていたの?あなたが私自身ってどういうこと?」
普通に考えれば、自分の中に別の自分がいるなんて、多重人格以外の何物でもない。

「それを今話せば長くなるのう。まぁ、今簡単に言うなら妾は魂の転生者、そなたが思っているような多重人格ではない。」
私は自身の考えが読まれたことに驚きを隠せなかった。
「なぜ私の思ったことが分かったの?」
「さっきも言うた通り、妾はそなたじゃ。そなたの思うことは全てわかるに決まっておろう。」

ルナの言う通り、彼女は私のことはお見通しのようだった。
「さて、いつまでも話してはおれん、体の主導権頂くぞ。」
「えっ?ちょっと待って!」
私が制する間も無く、私の体は目覚めた。