龍源堂はり灸マッサージ院 通信 2015 12月号
~はりについて~

田子の浦に うちいでてみれば白妙の
富士の高嶺に雪は降りつつ

とは、三十六歌仙の1人、山部赤人の読んだ歌です。
田子の浦は母の実家が近い事もあり、僕にとっては思い入れの深い歌でもあります。また、厳しい自然の力の前にもその美しさを称える美学を感じる事も出来る歌でもあると思います。
地球温暖化や化石燃料の燃焼、それに原子力発電への懸念も強まりますが、この美しい地球と人間が共存出来たらと思います。

そして龍源堂はり灸マッサージ院では、環境にも優しい鍼灸マッサージが、皆さんの生活のお役に立てるように努力します。

さて、今回は鍼についてのお話です。
鍼と書いて「はり」と読みます。
江戸時代にこの漢字をあてる事で、中国式のスタイルと区別したと言われます(諸説あり)。中国から伝わった鍼(はり)が、特に江戸時代に日本の人や気候に合う様に進化したのを打ち出したかった様です。

昔は金や銀で作られた鍼(はり)を、短くなるまで研いで使ったそうですが、現代では衛生面から一度使った鍼をまた使うことは有りません。
硬さはしなやかに、そして形は細さと丸さを追求する傾向にあります。
鋭く硬い鍼では組織を壊してしまいますが、鍼灸の鍼は、組織の間を掻き分けて進む様にする事で、痛みや違和感を減らし、体への負担を最小限にする為です。

メーカー各社とも、こうした現代の要望に合わせて様々な鍼(はり)をラインに揃えています。これを術者の個性や狙いに合わせてチョイスして患者様に提供します。
例えば年齢、性別、その日の体調、対象とする部位など、様々な要素が判断基準となります。

歳末の忙しさと、気温の低下で肩や腰の辛さを始めとして不調を感じる方が多い季節です。
家族や大切な人と過ごす時間も特に必要となる時期ですので、どうそ御自愛下さい。

尚、都合により龍源堂はり灸マッサージ院では毎月9日に行っていました箱灸の日を毎週第2日曜の14時~17時の間での完全予約制へと変更させて頂きます。ご理解ご協力をお願いします。