龍源堂 はり灸マッサージ院便り   2015年8月号


「風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける」
従二位家隆が読んだこの歌にあるように、暑い夏におはらいを目的に水業をするのは、既に鎌倉時代初期には習慣になっていた様です。
昔の日本の気候は室外機とアスファルトに温められた現代社会とは違うとはいえ、なかなかお風呂に入れなかった当時の人の生活が忍ばれます。

夏と言えば熱中症や脱水症状と同じく問題になるのがクーラーによる体の不調ではないでしょうか?
本来、夏は人間も草木も外に向けて発散したり伸びやかになります。汗もかき、同時に老廃物の排泄も行います。ところがクーラーによりコントロールされた室内での生活に四六時中浸かってしまうと、このサイクルに乱れが生じます。外に向かうべきエネルギーを体内に綴じ込め、発散しきれない熱は鬱熱として体内に代謝産物と一緒に留まる事になるのです。こうして蓄積したものを、次の季節やその先の自分への重りにしていませんか?

また、「汗をかきにくい体質」になってしまったというご相談も良く耳にします。子どもの頃に汗をかく習慣が充分でないと、汗腺の発育が十分なされず、汗をかきにくい体質になりますが、それとは違い一定の年齢までは人並みにかいていた汗がある頃を境にでにくくなる場合もある様です。これは、皮脂腺の詰まりというよりは細胞の活性具合に起因すると考えられます。日頃より脂っこい食生活を避け、適度な運動で体内の循環を促して行けば、今からでもご自分の力で体温調節の出来る体を目指せます。

この時期のお勧め食材のひとつに、レタスがあります。
βカロチン、ビタミンEやCを含み、出て来る白っぽい汁には睡眠を促す作用もあるといいます。現代の様な形で市場に流通する様になったのは明治以降ですが、平安時代にはその原型のものが「ちしゃ」と呼ばれてすでに栽培がなされていた程日本人の食生活にはなじみの食材です。体内の酵素の働きを助け、適度に体温を下げてくれるので、全ての年代の方にお勧め致します。

当院では、夏バテを含め体力の落ちている方には「刺さない鍼」または「熱くないお灸」での施術で刺激量を患者様個人に合わせて調節致しております。
龍源堂 はり灸マッサージ院では、毎月9日に箱灸または竹筒灸による養生の為の日「お灸の日」を設けています。時間は午後1時から4時までです。
事前にご連絡を頂けると幸いです。参加費用は無料です。


龍源堂 はり灸マッサージ院
630-8054 奈良市七条西町1丁目3-14
電話;090-6752-5073
メール;ryugendo.hari9@gmail.com