BEFOREテロリスト AFTERヤクザ 2
時刻は午後3時頃だったか!自宅に建つキックボクシングジムの窓
越しに、らしき車両がゆっくりバックしてくるのが見えた。 かなりの
高級車である。それは国産車ではない。間違いなく外車だ。
車好きとは聞いていたがやはり…。僕は出迎えようと外に出た。
ゆっくり、ゆっくり不気味な空気を漂わせて後退り(あとずさり)する
高級車がようやく停止しドアが開いた。次の瞬間、そこから現れた彼
の姿を見て僕はあまりにも楽しくて、たまらなく愉快で、こみ上げて
くる笑いがこらえきれなくなりました。
僕 「…どこの組長さんでござんすか? どう見ても、どこを
切っても…、食っても、暴力団だね!」
20年ぶりに再会した僕の最初のセリフがそれであった。
100キロあまりの巨漢にスキンヘッド、高級外車。誰の目にも
疑いの余地はない。そこには若かりし頃の彼の面影は欠片(かけら)
もなかった。家(うち)の母親が「…息子がまた揉め事起こした!」と
ばかりに心配して奥から駆けつけたぐらいだ。
彼 「…こんにちは! お世話になります…。」
と、母親に挨拶した彼は後で、「久々に人と合したぜぇ~!」としみじみ
と打ち明けた。
「近所の厄介者(やっかいもの)になってないわなぁ~?」
と僕が問うと彼は
彼 「向かいのおばちゃん、喋ってくれへん!」と嘆くので
僕 「それはそのおばちゃんが正しい!」と言っておきました。
(注)彼は本職ではありません!
彼は後部座席から特大のギターケースとアンプを取り出し室内に
入った。 ギターケースから飛び出したのはあのパンテラのギタリスト
故ダイムバック ダレルモデルのペイントギターだ! そして現代の
デジタル技術をすべて終結させたかのようなマルチアンプを駆使して
彼の指先からパンテラの「COWBOYS FROM HELL」が弾き
出された。 コチラも負けじとオジーオズボーンバンドのギタリスト 故
ランディー ローズモデルとピーヴィーのアンプで対抗。 カウボ
ーイズ フロム ヘルをあとから追う!
こうして40代半ば、オッサン メタルリフ バトルは幕を開けた!
…つづく