『フローレンスは眠る』
<ストーリー>
同族経営の企業で社長秘書を務める牧羽(藤本涼)は、
次期社長である英樹(宮川一朗太)を誘拐。
彼の解放と引き換えに、会社がひた隠しする伝説のブルーダイヤ
“フローレンスの涙”を要求する。
そのダイヤをめぐる事件で企業に自殺へと追い込まれた母の
復讐(ふくしゅう)を遂げようとする牧羽だが、
英樹の父にして社長である善一郎(山本學)も副社長・勇次郎(前田吟)も要求を退ける。
彼らの判断に憤慨した牧羽は暴走し、
勇次郎はこの機会に乗じて会社乗っ取りをたくらむが…。
小林兄弟(克人・健二)監督5年ぶりの新作は
前作『369のメトシエラ』とは打って変わっての
企業を舞台にしたクライム・サスペンス。
はじめから犯人がわかっているようでラストに衝撃の展開を迎えます。
自主製作で製作された作品としては異例のTOHOシネマズ日劇での
ドリパス企画を通過して1週間上映が実施されました。
(ドリパス企画…リクエストされた映画の内、上位作品のチケットを実際に販売し、
規定枚数に達すると上映ができる企画)
これからの映画製作・公開スタイルを考える上でも注目の作品です。
<舞台挨拶レポート>
東海地区初日の7月16日、前日にオープンしたばかりの
ミッドランドスクエアシネマ2で舞台挨拶が行われました。
小林兄弟(克人・健二)監督、牧羽役・藤本涼さん、恵役・桜井ユキさん、
雅彦役・池内万作さんが登壇されました。
・名古屋の印象は?
藤本さん:
「印象は完全に喫茶店のイメージなんです。喫茶店でモーニングという。
僕は関西の出身で関西でもモーニングを食べる習慣があったので。
さっき早めに来て桜井さんと味噌煮込みを食べました。」
桜井さん:
「うどんなのかひつまぶしなのかを悩んだ挙句、うどんに。
私はすごいおいしかったんですけど藤本さんが『この麺は茹でてあるのか。』と(笑)」
藤本さん:
「おいしいと言われていたのでどんな食感なのかなって思ったら(笑)
これ名古屋の人に反感買っちゃいますね。」
池内さん:
「何回か来てはいるんですけど。
映画館の印象ならこれが気になる(目の前のリクライニングシートを指さす。)
これ、藤本君もすごく気にしていたでしょ?」
座ってみればということで早速藤本さんがリクライニングシートに実際に座ったり。
・監督は企画も全部やられて、宣伝で名古屋に一週間いたとか。
克人監督:
「今回もそうですけど。前作もそうでした。一週間。
名古屋めしを食べられるだけ食べて。
劇場でチラシ配りもしたんですが、熱心にお客様と話すことができて。」
健二監督:
「チラシをまいていたら知り合ったばかりなのに、お酒を差し入れてくださることもあって。」
・新しい劇場はシートだけじゃない
健二監督:
「自分の映画をここで見させていただいたんですけど、音がいい。
防音率がすごくいい。気密性が高くって。SEの音とかきれいに再現していただける。
日本で最高峰の音だと思います。ここで上映していただけるなんて
ミッドランドスクエアシネマの皆様ありがとうございます。」
・オーディションで決まった二人の役作り
藤本さん:
「藤本君はどう思う?と監督に聞いていただけて。
今までそんな現場はなかったので戸惑いました。
でもたくさん聞いていただけて。『こう動いて。』という現場の方が多かったので」
桜井さん:
「ケイという役は感情を表情に出さないので、人に対して思いを出すというより、
自分の中でうごめいてるという方が多かったので
役作りというかそういう人を理解するのが難しいなと思いました。」
・脚本準備に3年、撮影は4週間
克人監督:
「撮影は4週間ですね。」
健二監督:
「シナリオの準備は3年です。書いては書き直して。撮休が入るので
撮影は実働25日ぐらいと記憶しています。」
克人監督:
「一日延びればガソリン代もかかる、弁当代もかかる(笑)」
健二監督:
「今回協力してくださった方が多くて。
エキストラの方はノーギャラで現地集合現地解散、
弁当も出さない。普通出るんですけど、うちは出さなくって。
それでもフィルムコミッションの方がやってくださって。」
・監督が池内さんにオファーした役は…。
池内さん:
「シナリオを開いて…東(幹久)さんの兄の役か…と。それに尽きますね(笑)」
克人監督:
「でも東さんがうまいんですよ。」
健二監督:
「雅彦という役はアメリカ留学で経営学を学んでアメリカナイズされた考え方。
東さんの直彦役は典型的な慶応ボーイで細かいことは気にしないというキャラを
ぴったりやっていただけました。」
・監督が今回の作品で参考にしたもの
克人監督:
「黒澤明監督の作品が好きで。ああいう映画を作りたいという気持ちがありました。
牧羽は犯人でわるいやつじゃないですか。
それを観客の方にどう共感してもらえるか。」
健二監督:
「あと昭和の匂いですね。昭和の時代に育ってきましたから。
高度成長期を知っている世代は
自分たちが最後かなと。それを意識して映画の中に盛り込んでいます。」
・印象に残った俳優さんは?
藤本さん:
「今回ご一緒させていただけるだけで光栄なんですが山本学さんとのシーンで
撮影始まるとあの勢いで来られて。
演技ではなく反応して僕はあの反応をしたんですが
シーンが終わる度に「頑張ったな。」と言っていただいて支えていただきました。」
池内さん:
「前田吟さんが最後の方に来ている着物。あれは別のシーンで兄役の山本學さんが
着ていた着物なんです。」
健二監督:
「形見分けとして着ているという。仕事上ではもめていても
やはり兄弟ということで。あれは吟さんの案です。」
・最後の締めの一言は藤本さんから
藤本さん:
「本日は本当にありがとうございます。撮影が終わってもう2年近くたつんですが
これだけの仲の良さをつなげて作られた作品です。
両監督が愛情をもって作られた作品です。
ただのサスペンスではないように作られています。
それぞれの年代世代性別問わず愛情深い作品になっていますので
皆さんも宣伝をよろしくお願いいたします。」
フォトセッションでは観客も撮影OKということで大撮影大会に。
終了後、ロビーでのサイン会では
観客の方と直接お話をしながら交流も持たれていました。
インターネットが普及した時代、SNSが口コミとしての手段となっています。
地道な宣伝活動が上映につながるのだとこの作品の宣伝活動を見て感じました。
東海地区では
ミッドランドスクエアシネマ2、大垣コロナシネマワールドにて現在公開中です。
http://www.junglewalk.co.jp/florence/
舞台挨拶直前の忙しい中、一言ずつメッセージをいただきました。
一言メッセージを今週23日のFMらら「ららサタデー」でオンエア予定です。
FMらら公式HP、スマホアプリよりお聞きいただけます。
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