日記を書いて更新できず(^_^;)


日付が変わってしまいましたが、
16年前の 1月17日 阪神・淡路大震災

珍しく早朝に目が覚めてテレビを
ボーっと見てました。
福岡は揺れてなかったのですが
胸騒ぎでもしたんでしょうか。
寝起きの悪い僕がなにかに起こされて
寝つけずリビングに行きました。
暫くすると画面に速報が入り被災者が。
数も数人から直ぐに数十人に。

ヘリからの映像や崩れ落ちた高速道路
の映像を見て、なにか現実では無く
映画でも見ているような感覚を最初に
感じました。まさか⁉
日本でこんな事が起きてるのか⁉
って感じで。

家族を突然失うことの辛さは、
言葉にできないよね。
その春、大阪のPL学園に入学。
同級生の中には友人を亡くした
選手もいたりして体が震えました。
寮で揺れを感じた先輩たちからも、
その凄まじさを聞いて、改めて多くの
人がとてつもない恐怖の中にいたんだ
なぁ。って感じました。

多くの被災者のご冥福を心から
お祈りいたします。












さて、今日のブログタイトル。
「野球選手とお金の話」
ネタになる記事がありました。
● 貯金なしが10%
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/headlines/20110117-00000064-kyodo_sp-spo.html

僕はNPBを始め、海外でもプレーして
きました。
日本ではあまり話されないお金の話。
コビーズアイで(笑)書いてみたいと
思います。

NPBでは選手、打撃投手と
して8年間過ごしました。
その中でお金の使い方について誰かに
具体的に教わった事はありませんでした。
なので、周りを見よう見まね。
月の給料のうちの何%を家賃で…
何%貯金して…
っていう感覚でした。それでも
同世代の友人たちよりは良い生活
をしてたと思います。
(今、思えば馬鹿だなぁ~って。)


入団の際に頂いた契約金の多くは
お世話になった人達やチームにへの
御礼に使い、残りは
「なにかあった時のために」と両親が
定期預金にしてくれてました。
高卒で入団した僕は寮生でしたし、
必要最低限のモノは充実してて
給料を使う事ってあんまりないんですね。
たまぁにCDのアルバムを10枚くらい
まとめて買ったり、服を買ったり、
パソコンを買ったりしてました。
寮生なので寮則に縛られたシーズ中は
あまり使う事が無かった分、
オフシーズンには海外旅行に行ったり
してました。
時間なあるオフシーズンの方が
お金を使う事が多いですね。

それでも周りの野球選手に比べれば、
お金の使い方は荒く無かったですよ(笑)
食事や治療なんかには躊躇せずせず、
野球につながる自己投資はしてました。
貯金はある 方でしたよ。(^-^)



2006年にアメリカの独立リーグにて。
チームはカナダにあり僕と同じように
アメリカのビザが取れなかった選手たち
も沢山いました。南米の選手たちも。
2008年からプレーした台湾でも
アメリカやプエルトリコなどから
くる選手も多かったです。
どの選手も家族を養っていました。

米独立時代。
38歳で子供3人を養っていた
オランダ代表のアドリアーノ。
一年中、野球のやってる国を探して
稼いでます。
今回のメキシコでもチームメイトに
なった彼もけして派手な生活は
していません。が、野球選手として
とてもかっこ良い憧れの選手です。

キューバから亡命選手のロマーリオ。
当時25歳でフロリダには妻と生まれた
ばかりの赤ちゃんがいました。
800ドルの給料のうち700ドルを仕送りし
自分はクッキーとミルクで腹を満たし
ケータリングのホットドッグを
一度に食べず持ち帰って食べるなどして
空腹を凌ぎならがプレーしてました。
リアル1ヶ月1万円生活。それでも…
彼らはThis is Baseball.と言います。
文句を言うやつはやめれば良い。
俺たちのチャンスが増えるから。と。

正直、これだけないとダメだ、とか
食事にはこれくらいかかるとか、
治療にはお金をかけても…なんて
感覚だったので、恥ずかしいやら
悔しいやら。ショックでした。


どの選手も日本のプロ野球選手のような
派手な金銭感覚などありません。
自分が輝くべき所はグランドだと
言う事を良くわかっています。
その為には、普段から極力お金の
掛からない生活を習慣としていました。

それは、明日、明後日にも解雇されて
しまうかもしれない、と言う生活感
の中で培われてきたモノだと思います。
そういう野球文化なんですね。

個人だけではありません。
独立リーグでいえばチームは上着だけを
支給。パンツは白とグレーのモノを
自前で用意し、もし解雇され違う
チームにいっても使える様
リーグルールで決められていました。

野球にはお金が掛かります。
お金の使い方はとても大切です。

ちゃんと考えれば当たり前なんですが、
こらからプロ野球選手になる人、
野球で食べて行こう!と考えてる人には
ぜひ、知っておいて欲しい事です。

お金の話。

契約社会で生きる野球選手の平均的な
勤続年数は一般社会人の方と比べると
1/4以下になるんじゃないでしょうか。
平均、ですから1/5や1/6と、もっと短い
選手も沢山います。

僕はそんな統計を取る専門家では
無いので、知識という程度ですが、
たしか日本のプロ野球の平均は9年。
MLB(傘下も含む)選手でも12年程度
だと聞いたことがあります。

一般社会人の方が23歳から60歳まで
38年勤められると考えると分かり
やすいですね。

NPBの一軍最低補償額の1500万円の
選手の場合、一般社会人の方の給与
価値に(単純に1/4で)置き換えると
年収375万円くらいですか。

翌年の収入があるという保証は無い
のですから、けして派手な生活が
出来るほどの収入ではありませんね。

NPBでは2010年の平均年俸が3800万円
くらいで過去最高額だったと記事で
読みました。

では、年俸3800を平均勤続年数9年
で計算すると生涯獲得平均が
34,200万円。
一般社会人の方の勤続年数38年で
置き換えると年間収入価値は約900万円。

それに加えて治療費やトレーニングなど
自己投資に掛かるお金が結構あります。
退職金もなくいつ解雇されるか
分かりません。

1/4計算式で1年で使えるお金の計算を
すると225万円。

あれ?って感じですよね。

プロ野球選手は
周囲がイメージしているほど
お金にはならない…。

意外でしょ(笑)

悲観的に書いてるわけではありません。

それよりも多くの収入を得ている選手も
ご存知の通り沢山います。
広告塔となって野球以外の収入のある
選手ももちろんいます。
現役引退をした後も職につけば収入が
あるわけなので、極端な書き方をして
はいますが悲観的に取らないでください。

ただ、現実を知る事で、覚悟を決める
事ができます。
知らなければその現実を突きつけられ
た時に、前進する勇気を失います。
諦める要因になってしまいます。
知っていれば蓄えることも出来、
自分の可能性を広げる事ができます。



現代はプロ野球選手でなくとも
多くの職種で高収入を得る事が
可能性な時代になりました。

若い選手に相談されることが良くあります。
野球を取るか仕事を取るか。
夢か現実か、って言うことですよね。

「お金が欲しいなら野球は諦めた方が
良い」と僕は話します。
そこに実力は関係ありません。
(もちろん、野球を仕事にするならば
こんな迷いは起きないのですが…。)

だって、今は野球じゃなくとも頑張れば
安定的に野球選手よりも多くお金を
稼ぐ事が出来る時代だからです。
それに比べて夢を追う事にはリスクが
あります。
野球以外の仕事で稼ぎながらでも
草野球やクラブチームで高い意識や情熱
を持ってプレーする事も素晴らしい
野球人生だと思うからです。

それが可能な時代です。
しかし、プロ野球選手として食べて
行こう、と思うならば強い覚悟を持って
欲しいと思います。
そして、分相応に生きる術を身に
つけて欲しいと思います。

それが好きな事を仕事にする。
という喜びだと思うからです。

僕は野球選手という職業を選んで幸せ
です。僕の幸せを自分のことの様に
感じ喜んでくれる人達に支えられて
いるのも事実です。
もちろん、お金は欲しいですよ(笑)
お金は要らない、となると
現役でプロ野球選手をやってる
意味がありません。仕事ですからね。
やる以上は高みを目指します。

この世界は自分の仕事を評価して
もらえれば数年分を取り戻せます。
そして、数年分を蓄える事が出来ます。
だから、お金の管理をちゃんとして
頑張れば良いんです。

夢にはリスクがある事もちゃんと
理解して欲しいんです。
夢か現実か。
ではなく現実を乗り越えたモノこそ
夢を手に入れる事ができる。
と信じてます。

野球選手になればお金持ちになって
派手な生活が出来る!
間違えではないですが、
それを基準にして欲しくないなぁ。
と。


契約社会の人間である事を理解し
分相応。でいる事です。
分相応でお金を沢山稼ぐために
もっともっと頑張ろうと思えば
良いと思います。


プロ野球と言うのは契約社会で
いつ解雇されるか分かりません。
もしかしたら怪我をして手術を
する事になり1年、2年は仕事ができず
無収入である事も想定されます。
(この辺が日本にはあまりない考えかも)
独立リーグの様な低収入でプレーする
事もあるでしょう。
なので、給料の1/3から1/4以下で生活を
していく事が適当だろうと思うように
なりました。

給料の1/4で一年生活をし、
1/4を万が一の翌年の生活保証に当て、
1/4を活動費に当てる事ができます。
残りは蓄えておくのです。
そうやって「契約の無い時間」を
乗り越えていきます。


日本の野球選手はとても素晴らしい
才能を持っています。
しかし、日本のチームを解雇された後、
海外に活路を見いだす事はまだまだ
少ないですね。
そこにはお金の問題があるはずです。
こんなこと報道されるはずもありません
が、深刻な原因の一つであると思います。
実際、僕も何度も悩んだ事があります。
渡航費を稼ぐためにアルバイトをした
時期もあります。
冬空の下、一日中、洗車をしたり、
下着メーカーの仕分けをしたり。
エアコンの掃除やフローリングの
ワックスがけなんかもやりましたよ。
今となっては良い経験でしたけどね。



日本では一度解雇になると
「もうピークを過ぎた選手」という
見方をされる事が多いと思います。
が、人間ですから誰にでも波があり、
環境が変わって能力を活かしたり
怪我が原因であれば治療すれば
良くなるのも人間です。
事実、海外には数年間、現場から離れ
ていても地道なトレーニングを経て
復帰したり、復帰前よりも素晴らしい
成績を残す選手たちが沢山います。

僕も現役を3年離れてました。
昨年は肘を手術してリハビリシーズン
でした。もちろん、収入は無く蓄えを
食い潰して生活しました。
蓄えがなければ引退の道を選ばざるを
得なかったかもしれません。

そう、その間に生活をしていく為には
「蓄え」が必要です。生活だけでは無く
治療や一人でトレーニングする際に掛かる
活動費やテストをを受ける為の費用など
無ければ始まら無い事が沢山あります。

海外ではオフシーズンには野球以外の
違う仕事をしている選手が沢山います。
それは特別な事でもありません。
多くの選手がそういう経験をしています。
健康食品を売ったり、
スポーツショップに勤務したり、
コンピュータエンジニア、
アカデミーのコーチ、
弁護士や工場で働く人も。

シーズンが始まれば皆がチームメイト
としてファンを楽しませてくれます。

日本にはそれをプロ野球選手の定義
になるのか?と、是否を問う人もいる
でしょう。

もちろん、挑戦者である選手にとって
そんな周囲の価値観は関係の無い事で
すが、彼らのようなアスリートたちを
認め、受け入れる社会がアメリカには
あります。

アメリカが全てにおいて優れてる、とは
言いません。が、長いアメリカの野球
の歴史の中で、多くの人種、民族の
考えから生まれた合理的な社会である
事は認めざるを得ません。

そして、日本がこういった考え方や
システムを参考にする事は必要で
とても大切な事だと思います。
そんな時代になってきてるとも感じます。

お金の話。
金額の多い、少ないっていう話題以外、
日本の報道ではあまり詳しく扱われる
事はないですね。

現代の日本は昔に比べ、
お金を稼ぐ事=夢 という方程式
ではなくなってきています。

夢、への価値観も人それぞれだと
思いますが 夢を夢のままで無く、
現実化する為に知っておいて欲しい
リアルを僕の感じた視点で書きました。


挑戦者し続ける者、への参考
になれば幸いです。






o(・∀・)o 「ざぁぁぁっす!」