ベラクルスから次の遠征先へ向かうバスの中。遠征先の名前を聞いてもピンとこない。

まぁ、いっか。( ´ ▽ ` )ノ

真っ暗で舗装もまともになされていなデコボコ道を進みながら
俺もよくまぁ、こんなところまできたなぁ。
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と、ふと自分を眺めてみた。

カナダ、アメリカ、四国、台湾、そしてメキシコ。移動のバスの中では決まって自分の野球人生を振り返る時間がやってくる。

iPodから流れてくる音楽の歌詞に時々、涙しそうになる。(泣いてねえぞ!)

中島みゆき さんのファイト!
古い歌なのに何度も繰り返し聞いてしまうんだよね。
カバーされたりしてるけど
中島みゆきさんが歌っていると歌詞がビンビン響いてくる。

♪ああ。小魚たちの群れキラキラと
海の中の国境を越えて行く
諦めという名の鎖を身をよじってほどいて行く
ファイト !
戦うキミの歌を戦わないヤツらが笑うだろう
ファイト!
冷たい水の中を震えながら登っていけ♪


2002年。5年間の2軍生活を終え不完全燃焼のままロッテを退団。現役復帰への希望を抱き現役復帰の話があった中日へ。しかし3年間の裏方生活でチャンスはこなかった。

人間万事塞翁が馬
とは中国のことわざ。よく言ったもので最悪な出来事が最高のチャンスを生む事がある。

2005年、26歳になったこの年に僕は右肩を痛めて中日を退団。これが僕の野球人生の始まり。正に地獄に仏。天からおりてきた蜘蛛の糸だ。

その後も何度も何度も引退の危機に覚悟しながら進んできた。ただ、一度も自ら諦めようと思った事は無い。自分で選んだ人生に責任を持つ。10歳の誕生日、父と交わした男の約束だ。僕は野球の道を選んだ。だから最後までけして諦めない。それは今も変わらない。


2006年春。渡米しトライアウトを受けるもビザが取れず。諦め半分でうけたチーム。2回6三振で合格するもビザか無いと伝えると、カナダへ行け!と紹介してくれたのはカリフォルニアの独立リーグのチームで監督をしていたメジャーで21年のプレー経験を持つしDarrell Evans(ダレル・エバンス)。カルガリーで事実上の現役復帰。3ヶ月半で40試合に登板して経験上、始めてプロ野球を実感した。

2007年、2006年はNPB経験者を受け入れてなかった四国アイランドリーグで2007年からプレーをしていた元広島の天野浩一君の存在があり、また希望が生まれ思い切って高校時代から痛めていた肘の手術をして香川OGのテストを受け入団。もちろん色んなアルバイトもやった。自身もプレーしていた台湾プロ野球を紹介してくれた元香川OGのコーチで元ヤクルトの加藤博人さん。

2008年。テストで行った先で出会った元日本ハムの井場さん、元楽天トレーニングコーチで2008年はラニューベアーズに在籍していた金崎さん。井場さんから金崎さんに繋がり兄弟象のコーチで僕を引き上げてくれた恩師、元阪神の中込伸さんに出会った。

他にも沢山の人との出会いがあって今がある。本当に綱渡りみたい。いつ切れるか分からない蜘蛛の糸を一握り一握り、歯を食いしばり登ってきた。

出会った人たち誰一人欠けていても今は無い。故郷から遠く離れたデコボコ道をバスに揺られているなんて…。そんな今を想像すらしていなかった。

ただ、今よりも一握りだけ高い所に手を伸ばし蜘蛛の糸を手繰り寄せてきた。これからもそうでありたい。

この蜘蛛の糸の先に何があるのか?この先がどうなるか?なんて保証もない。糸が切れてしまえばそこで終わりだろう。

でも、感謝している事がある。頼りなくわずかでも僕の手の中にはしっかりと蜘蛛の糸が握られている。出会った人たちがくれた七色に輝く蜘蛛の糸。

他人はそんな頼りない蜘蛛の糸を、なんのために?と笑うかもしれないけれど僕にとっては希望の糸だ。人生を生きて行く中でこんなに輝く蜘蛛の糸を手にする事ができるだろうか。と、考えると、自らの指を緩め手放す事ができようか。いつかは切れるだろうこの糸。
たとえ切れてどこに落下しようと僕はこの糸を離しはしないと決めている。


日本において野球というスポーツが今、数字や目に見えるものだけに評価や存在意義を求められるようになっている。しかし、それで良いのだろうか。僕は野球を通じてもっともっと大切で大きなモノを伝えていかなくてはいけないと思っている。それはなにか?と聞かれてもこれだ!という答えがあるわけじゃ無いけど、このブログや僕の活動を通じて日々の生活やこれからの世の中、社会になにかを還元してもらえるとそれで良いんじゃ無いかと思います。僕がかつてプロ野球通選手に憧れ、感動や勇気をもらい生きる糧にしたのと同じ様に誰かに影響できたら。特別な事じゃなく必死で毎日を生き自分の人生を全うしようとしている人たちと感化しあい生きていけたら素晴らしいと思いませんか。

僕は野球選手です。野球で食べて行くという職業を誇りに思っているからどこに行こうと、どんな評価を受けようと胸を張って生きて行こうと思います。

楽しんで。楽しむとは楽をするということではありません。どんな苦悩も辛い事も笑に変えるくらいに楽しむということです。

人生は一度きり。楽しまないと損です。自分の夢や目標に向かって真っ直ぐに生きて行こう。こんな時代だからこそツッパって生きるヤツが必要なんですよ。面白いじゃねえか!って笑ってもらえればいいんじゃない?(笑)


負けるな!自分!


まだ、つかねえのかよ…。

どこに行くんだ?俺?





tacos counter :77 tacos / 15 days

o(・∀・)o 「ざぁぁぁっす!」

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