「2012年9月23日のFacebook より」 | 「笑うガネーシャの生活 ~ Ryo's Life」 三浦 りょう(三浦 良)

「2012年9月23日のFacebook より」

人気マンガの「岳(がく)」が最終巻を迎えた。

世界中の山々を踏破した経験を持つアルピニスト島崎三歩が行う、ボランティア活動としての山岳救助を描いた作品である。

必ず彼は、助け出され救助隊に詫びる遭難者にも、死体となった者にも、たった一言の声をかける。

「よく頑張った」

読者は最終巻で、この一言の意味を知ることになる。危険をかえりみずに誰かのために突き進む彼は、「オレのためだよ。オレはオレのために登っているんだ」と、こともなげに救助された者に答えるのである。

自分のために流した涙は、青白く色づいているかのように、冷たくてしょっばく感じるものだ。

しかし、誰かのために流した涙は、不思議と温かくて甘く感じたりするものである。

そして、そういう温かくて甘い涙は、心を洗い流すだけではなく、自己の存在を絶対的なものとして肯定してくれる。

この数年、わたしは仕事場に恵まれていない。

子どもたちと丁寧に向き合うことのできる、新たな場所をさがし続ける毎日である。

自分にとって教壇に立つということは、仕事であると同時に、神様からの「ごほうび」でもある。

学生時代から変わらず、いまもまだ、子どもたちに感じることがあっては涙を流し、休み時間に他愛ない話で時間をつぶしては笑い、教室でイキなやりとりを交わしては乙な時間を過ごせたと思う自分がいる。

人生には、「ステージ」が必要である。

「自らの存在を絶対的に肯定してくれる場所」である。

それは、家族や恋人や友達のような、かけがえのない「大切なひと」であったり、宗教や学問や仕事のような、自己実現を可能にする「大切なもの」であったりする。

また、「夢」もステージである。

(おわり)


「笑うガネーシャの生活 ~ Ryo's Life」 三浦 りょう


三浦 りょう

大阪府藤井寺市出身。高知大学大学院理学研究科中退。大学受験予備校生物科(小論文科・面接対策)講師。一つの国や民族にとらわれず、全世界を自国として考えて生きていく世界市民でありたいと考えている。

目下のところ、真の国際人を自らの教室から輩出すべく奮闘している。

また、医系専門予備校では、総合生物(生物基礎+生物)以外に、医学・医療概説の講座も担当している。

(今年度の主な出講先)

・学校法人近畿予備校 Kinyobi医進(旧 医進アカデミー  京都市上京区)

・学校法人創志学園 東京国際ビジネスカレッジ (神戸市中央区)

・現役合格予備校 創学ゼミ (神戸市垂水区)

学校法人紫明学園 近畿予備校は、1949年に開設された、京都・今出川にある医・歯・薬・獣医学部受験専門の予備校です。

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