サムスンはなぜ嫌われるのか① | 中谷良子の落書き帳

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★アメリカのGMや日本のソニーは、それぞれの国で誇りとされている。だがサムスンは違う。これほど国民の反感を買っている企業は世界でも珍しい★

世界屈指の企業に上りつめた巨大財閥だが利益を独占する傲慢さに国民の怒りは臨界点に。
破竹の勢いで成長を続ける韓国のサムスングループ。

傘下にあるサムスン電子の昨年の売上高はアップルやヒューレット・パッカード(HP)、IBMをしのぎ、IT機器メーカーとして世界トップに立つ。

液晶テレビやスマートフォンの代名詞と言えるほど、世界中でその名を知らない者はいない。
日本で唯一の半導体メモリー「DRAM」のメーカー、エルピーダメモリが先月破綻したのも、サムスンの存在が大きな要因だった。

一時、日本の電機メーカー各社は半導体メモリーで世界シェアの7割を占めていた。

しかし90年代以降に大量生産による低価格化を実現したサムスンに急速にシェアを奪われ、現在はサムスンが世界シェアの3割を占めている。

先進国が不況にあえぐなかでも好調を続ける韓国経済。
その象徴とも言えるサムスングループに、韓国の国民は当然、羨望のまなざしを向けている。

・・・と思うところだが、実はそうではない。
いま韓国ではサムスンに対して、これほどまでにないほどの反発が巻き起こっているのだ。

アメリカのゼネラル・モーターズ(GM)や日本のソニー、トヨタはアメリカや日本を代表する企業で、問題を抱えながらもそれぞれの国で誇りとされている。

だがサムスンは違う。
サムスンは、なぜ国民から愛憎入り交じる感情を向けられているのか。

あえて言えば、なぜサムスンは嫌われるのか。

★中小を圧迫する多角事業★

韓国における財閥企業の存在感は、外国人の想像をはるかに超える。

韓国経済の大部分をサムスン、現代、LG、SK、ロッテといった財閥が牛耳っており、その中でもサムスンの影響力と支配力は突出している。

サムスングループの売上高だけで、韓国のGDPの実に約18%、輸出高の21%を占めるほどだ。

スマートフォンやパソコンに始まり、キムチ専用冷蔵庫から掃除機まで、サムスン製品は韓国社会の隅々にまで入り込んでいる。

スーパーやコーヒー店、高級ブランドバッグの販売店なども経営し、ホテルや遊園地、動物園まで抱えている。
系列企業は約80社にも上る。

ところがこうした事業の多角展開は尊敬されるどころか、世論の反発を買う要因となっている。
「タコ足式経営」と呼ばれるこの事業モデルが、個人経営の小売店や中小企業の経営を圧迫しているからだ。

これには財閥(現代グループ)出身の李明博(イ・ミョンバク)大統領でさえ、懸念を表明せざるを得なかった。
彼は今年1月、財閥企業は「パン屋から手を引け」と発言し、たちまち話題となった。

李明博がやり玉に挙げたのは、財閥の2世や3世の経営者による高級ベーカリー事業への進出だ。
李明博は「財閥の2世や3世は趣味でやっているのだろうが、小売店にとっては死活問題だ」と語って、販売事業からの撤退は求めた。

サムスングループの李健煕(イ・ゴンヒ)会長の長女・李富真(イ・ブジン)が社長を務めるホテル新羅もベーカリー事業に進出していたが、大統領発言を受けて、他の財閥企業と共に撤退を余儀なくされた。

これはほんの一例にすぎない。

人口5000万に満たない韓国では、日常生活のあらゆる場面でいやが応でもサムスンの存在を感じる。
個人経営や中小企業の衰退は本来なら政府の経済政策の問題だが、その存在感ゆえにサムスンが矢面に立たされている側面もある。

~和久敏之~









$Jellyの~日本のタブー~