中国は心理的にも日本を脅かそうとしている | 中谷良子の落書き帳

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Khloeの~THIS IS MY STYLE~

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『中国人民解放軍の正体』著者・鳴霞氏
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★毎年上がり続ける軍事予算の謎★

(本章のポイント)
中国の軍事予算は毎年、上昇している。
十数年後にはおよそ40兆円という莫大な数字になる。
その他にも心理的な攻撃を、中国は国ぐるみで日本に仕掛けている。
日本人は鈍感であってはならない。

★党は銭で軍を買う★

毛沢東の理論は「党が軍を指揮する」であるが、胡錦濤は「党は銭で軍を買う」と変化させた。
2000年に成都の西南教育ネットに
空軍最先端戦闘機「殲-10」の技術に関する情報漏洩がなされ、国内が引っ繰り返る大騒ぎになったことがある。
今では軍事情報は積極的に発表される。

武器の開発などに関しても報道されるようになった(例えば、『軍事論壇』『網易』『中華網』など)
他にも最近、

「20年までに海洋行動能力の確保を目指す」
「24年に月着陸を成功させる目標で、03年には1人乗り神舟5号、07年には2人乗りの神舟6号を打ち上げた」

などの情報が、各種ジャーナリズムでなされた。

以前、「殲-X」梟龍戦闘機の設計図面が報道されたことも、主戦型ヘリコプター式直の研究過程が報道されたこともある。
台湾海峡有事を想定していたり、第二次朝鮮戦争を想定していたりする「軍事マニア」による情報漏洩だと思わせながら、実際には中共解放軍による「心理戦」の手法かもしれない。

中国人の民主主義に対する感情を煽動しているのは、実際には解放軍である。
例えば、保釣運動なども軍の支援がなければ成立しないものである。
民主主義感情を高めるために、武器の研究開発などの極秘事項を漏洩させる手法は巧妙である。

民間に毎月研究会を開かせたり、資金を与えたり。
08年の2月の騒鳴中の報道では 、武装ヘリコプター直10の遅れの原因を「中国先端武器08年第1期」の中で、多くの指導者が歩兵の戦争決定勝利にこだわり、航空兵を単に制空権争奪の為に使うと考えているので、陸軍航空兵の戦闘意義を軽視して予算配分も十分でなかったからだと指摘している。

こうして考えてみれば、胡錦濤が中央軍事委員会主席に就任してからの軍事予算増額は、「党が銭で軍を買う」という確信的な路線であろう。
アメリカや日本に対する「心理戦」としての意味合いから見ても、アメリカが使ってきた手法を徹底的に学習していることがわかる。

★中国の軍事予算、2020年までに年間39兆円の水準に★

軍事関連コンサルタント企業ジェーンズはかつて、中国の軍事費について現在の増加ペースが続けば、20年までに年間3600億ドル(約38兆9千億円)の水準に到達するとの見通しを示した。

米国の昨年の軍事費約5470億ドルは下回るものの、中国政府が公表する現在の公式数字約590億ドルからは大幅増加となる。
ただこの数字には兵器開発関連予算が含まれておらず、実際の数字はより高いとする見方が軍事専門家の間では主流だ。
米国などは軍事予算の透明化を求めてもいる。

ジェーンズの分析員マシュー・スミス氏はAP通信の電話取材に対し、中国の軍事予算は過去14年間、毎年平均15.5%増を記録してきたと指摘。
ロシア製武器への依存度を下げる結果を生み出したとしている。

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、中国が06年に調達したロシア製兵器類は約35億ドル相当だが、翌7年にはこれが62%減となっていた。

同研究所の07年の世界各国の軍事力に関する年鑑によると、中国の軍事予算は米英に次いでいる。
日本は、中国との様々な防衛交流や安保対話の場で、こうした「懸念」や注文を素直に伝え、改善を求めることが重要だ。
現在、日中関係は基本的に良好であり、安全保障上の懸案処理を前進させるための好機といえる。

無論、軍事費の詳細の公表を拒む中国の軍事力の透明性を向上させるのは簡単ではない。
だが、米国など関係国と連携し、粘り強く働きかけていく必要がある。
昨年9月、中国の複数の中距離爆撃機H6が東シナ海の日本の航空識別圏に入り、日中中間線付近に至ったことも明らかにした。

この空域を飛ぶのは従来、偵察機が多く、爆撃機は珍しい。
中国軍が情報収集段階から次の演習段階に入った、との分析もある。

長射程の巡航ミサイルの開発や爆撃機の動向は、中台有事の際に、在日米軍や自衛隊の動きを牽制するのが狙いとも見られている。
急速に増強、近代化が進む中国軍の動向を、今後も注視する必要がある。

★中国は心理的にも日本を脅かそうとしている★

軍事力だけではない。
日本に対する「文化戦」は、親中派の育成という意味合いで見れば成功している。
続いて日本海軍の武器や準備を研究し、日本との海洋資源争奪戦に勝利することを目標としている。

毒入り食品によるテロによって、日本人を心理的に混乱させることも計画性が見える。
食料自給率の低い日本に、民族主義を高めて輸入食料を減らすことも考えられる軍事戦術である。
台湾海峡有事を想定した「心理戦」では、アメリカに対して「中台戦争」と「第二次朝鮮戦争」の同時二正面戦争の心理的プレッシャーを与えている。

さらに台湾有事では、これがアジア大混乱の引き金になるだろうとアメリカや日本を揺さぶる。
アメリカは、台湾と朝鮮半島に力を分散せざるを得ない戦略変更を迫られる。
中共が武器に関しての研究発表をしたり展示会を開いたりすることも、敵国に対する「心理戦」の1つであろう。

1990年代から中共解放軍が実践している「超限戦」では、「文化戦」「心理戦」「テロ」など敵国に対して複合的に使用して、正面正規戦争(対称戦争)を発動することなく、敵国の国力哀微を導こうとしている。
そのためには、社会不安や治安悪化は望むべきものであろう。
これらの戦術・手法を推進するのも、毛沢東路線を忠実に継承する胡錦濤が「党が軍を銭で買う」姿勢を堅持しているからである。