2014年12月13日(土)午後6時開演 サントリーホール

ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブルックナー:交響曲 第3番 ニ短調 WAB103
「ワーグナー」 [1873年第1稿(ノーヴァク版)]

ジョナサン・ノット
東京交響楽団

充実した響き、音楽監督就任前の演奏が余りに素晴らしく、マーラー9番や
シューベルト・グレートではそこまでの感動は得られなかったのですが、
今回は成程と唸る名演奏となりました。

採り上げたのはブルックナー交響曲3番、しかも第1稿。
最近ではブロムシュテット、昔はインバルの録音で有名でありました。

そう言えばインバル・都響は未だこの3番は採り上げていないかな?
震災で流れたんだっけ???

正直に言えば、第1稿はこなれていないというか、粗野で面白い部分はあるものの、
冗長な部分も多々あるのは否めないと思います。第2稿(ほぼエーザー版)や
ノヴァーク第3稿を帰宅してから部分的に聴いたのですが、上記印象は確信となりました。

ワーグナーへ献呈した曲であり、ワルキューレの眠りのテーマやタンホイザーからの
引用があり、それを探す楽しみはありますけどね。今回は2楽章で一瞬眠りのテーマが
奏され発見できました。

ノットの演奏はあの流麗な指揮振りで完全暗譜。暗譜そのものは殆ど意味はありませんが、
彼の場合はすべて自分のものにしているのが、その指揮振りを観て明らか。
所謂ブルックナー演奏とは一線を画しますが、響きの作り方が素晴らしい。
東響もスダーンに鍛えられたブルックナーサウンドで応えており、
音圧が凄まじいものとなっていました。

指揮者は作曲家によりスタイルを変える指揮者がいますが、ノットはどんな作曲家でも
自分のやり方を押し通します。何か特異なことをする訳ではないし、
正攻法な取り組み方なので、かなりの作品に通用するでしょうし、
シュトラウスなんてピッタリなんでしょう。
同様のやり方でブルックナーに対しましたが、宇宙性や宗教性云々でなく
交響曲としてピュアに楽しめました。
それにしても響きが素晴らしい、拍手、大満足。
できれば、第3稿で演奏して貰いたかった(笑)。
来年のブル7も期待できますね。

今日はそのまま帰って、豆腐とねぎを焼いてそぼろ餡かけ、
もやし・ひき肉の大蒜醤油炒めを食しました。
勿論、WITH日本酒で。

では。