2014年6月28日(土)13時 新国小劇場

【原作】中上健次【台本】松井 周
【演出】松本雄吉
【音楽監修】菊地成孔【美術】杉山 至
【照明】吉本有輝子【音響】渡邉邦男
【衣裳】堂本教子【演出助手】野村政之
【舞台監督】米倉幸雄

【出演】
 石田卓也 松下洸平 横田美紀 奥村佳恵 有薗芳記 石田圭祐
 西牟田 恵 中野英樹 チョウ ヨンホ 酒井和哉 山口惠子 新部聖子


【あらすじ】
19歳の青年ジェイコブは、ジャズ喫茶に入り浸り、セックスとドラッグに身を委ねる日々。
家を、家族を憎むユキの「計画」を聞きながら、断ち切ることが出来ずにいる
自分の過去と現実がいつしか混ざりあってゆく。
自らの出生のカギを握る叔父・高木直一郎を訪ねるジェイコブ。
その時、彼の内側でなにかが弾ける...。

これまで中上健次の作品は全く読んだことがないな。
有名な紀州三部作も・・・・。
被差別部落を路地と表現、父殺し、近親相姦・複雑な生まれ、近親者の自殺
彼にまつわるキーワードは・・・・暗い。

この中上健次の小説を舞台化するという。
まあ、何て大胆な。
しかし、その試みは成功していたと言えると感じました。
松井周の脚本家が巧みで、ベテラン松本雄吉の率直な演出。

殆ど知らない俳優ばかりでしたが、
キリっとした石田卓也のジェイコブ、松下洸平のユキ
(この人はドラマのカマラーゾフに出演していたそう、あの召使役か?)
の若手男優がなかなかの存在感。
セリフ廻しが演劇慣れし過ぎていなくてそれが新鮮でした。
難しいキャス、ケイコ役の横田、奥村も体当たりの演技。
大分しごかれたのでしょう。。

最初から最後までドラッグでラリった人間の
打算的で直ぐに性衝動に駆られ無秩序の中で
自分も周囲も傷つけていくストーリーでありますが、
何故かしらの悲哀もあり。

冒頭の10分位は煩くて一瞬失敗したかと思いましたが、
休憩なしの二時間集中して観ることができました。

なんだか昭和の匂いがしたのですが、
何本かは現在につながるテーマも内在していたように想えました。

初台から西新宿までグルリと散歩して、
遅い昼食を西新宿でとり、タワー新宿店へ移動。
ビエロフラーヴェク、チェコフィルが新しく
ドヴォルザークの交響曲全集をデッカに録音していたので、
これを購入しました。

そしていつもの鮨屋へ。
2時間ほど滞在し帰宅しました。
大将から、今日はどこへ?と質問されたので、
中上健次の舞台へ、と答えたところ、
ジャニーズですか?と聞き返されました。
では。