rx1206の音楽探訪
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2013年9月15日(日)13:00開演/NHKホール

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
リゴレット」全3幕

Giuseppe Verdi
RIGOLETTO
Melodramma in tre atti

指揮:グスターボ・ドゥダメル
Direttore:Gustavo Dudamel
合唱監督:ブルーノ・カゾーニ
Maestro del Coro:Bruno Casoni
演出:ジルベール・デフロ
Regia Gilbert Deflo
再演演出:ロレンツァ・カンティーニ
Ripresa:Lorenza Cantini
美術:エツィオ・フリジェリオ
Scene:Ezio Frigerio
衣裳:フランカ・スクァルチャピーノ
Costumi:Franca Squarciapino 

マントヴァ公爵:ジョルジョ・ベッルージ
Il Duca di Mantova:Giorgio Berrugi
リゴレット:レオ・ヌッチ
Rigoletto:Leo Nucci
ジルダ:マリア・アレハンドレス
Gilda:Maria Alejandres
スパラフチーレ:アレクサンドル・ツィムバリュク
Sparafucile:Alexander Tsymbalyuk
マッダレーナ:ケテワン・ケモクリーゼ
Maddalena:Ketevan Kemoklidze
ジョヴァンナ:ジョヴァンナ・ランツァ
Giovanna:Giovanna Lanza
モンテローネ:エルネスト・パナリエッロ
Monterone:Ernesto Panariello
マルッロ:セルジョ・ヴィターレ
Marullo:Sergio Vitale
ボルサ:ニコラ・パミーオ
Borsa:Nicola Pamio
チェプラーノ伯爵:アンドレア・マストローニ
Conte di Ceprano:Andrea Mastroni
チェプラーノ伯爵夫人:エヴィス・ムーラ
Contessa di Ceprano:Evis Mula
廷吏:ヴァレリー・トゥルマノフ
Un usciere:Valeri Turmanov
小姓:ロザンナ・サヴォイア
Paggio:Rosanna Savoia

ミラノ・スカラ座管弦楽団、ミラノ・スカラ座合唱団、ミラノ・スカラ座バレエ団
協力:東京バレエ学校
Orchestra, Coro e Corpo di Ballo del Teatro alla Scala
Cooperation:The Tokyo Ballet School

◆上演時間◆
第1幕 Act 1 (with pause) 13:00 - 14:05 (舞台転換あり)
休憩 Inter  30 min
第2幕 Act 2 14:35 - 15:05
休憩 Inter  30 min
第3幕 Act 3  15:35 - 16:10

リゴレットと言えば、ここ30数年、第1人者はヌッチでしょう。
すでに70歳代、既に国宝級の存在でありますが、
枯れたところは全くなく、その力強さに感嘆しました。

S席とは言えNHKホール、ファルスタッフの東京文化会館のようには
いかず音は少し遠くに聴こえてしまいます。
しかしながら、やはりこのオケの弦の艶、木管のきらめき、
金管の明るく音量もあるの透明感があるので声をつぶさず抜けてきます。
先に言えば、ドウダメルの指揮は初めてでしたが、
誠実で真っ直ぐな演奏。
ハーディングよりはオペラティックではありませんが、
なるほど牽引力は流石のものであります。

先ずはヌッチ、冒頭さすがに年齢で声量がと思いましたが、
モンテローネ伯爵が出てくるあたりでは、声が抜けてきました。
500回近くこの役を歌っているとのことで、
歌舞伎で言えば菊五郎の弁天小僧を観ているが如くの至芸であります。

ツィムバリュクがうたうスパラフチーレの素晴らしい声・演技に
ヌッチのリゴレットのやりとりが素晴らしい。
このバス、第3幕もそうですが、偉丈夫で舞台姿も良いですね。
これからの活躍が期待できると思いました。
ジルダのアンハンドレス、最初は抜けないな~と思っていたら
中低音から響きはじめ、コロラトゥーラの流れも素晴らしくなりました。
特にヌッチとの2重唱がきらめていました。

そして悪魔め、鬼めでの絶唱で興奮状態に。
ヌッチとアンハンドレスとの2重唱,
この復讐の2重唱はいつ聞いてもヴェルディのオペラを聴いてるな、という
実感を与えてくれます。
そして驚いたことに、この幕でのカーテンコールで
アンコールでもう一度披露。
こんなことあるんですね。
第3幕は嵐の場面が大好きです。
この幕も重唱が聴き応えがありました。

演出はオーソドックスでありますが、合唱団の演技が素晴らしいですね。
合唱自体のレベルは新国も世界に誇れるレベルですが、
演技面ではまだまだ、自然で細かい演技を目指して貰いたいものであります。

この日が東京でのオペラ最終公演だったので、
「SAYONARA」の文字と共に、皆が舞台上に。

今年のスカラ座の来日公演、痺れる程の感動ではありませんでしたが、
スカラ座の底力を感じさせられたものでありました。
(特にオケ、歌手ではマエストリーニに感心。)
東京ドームのヴェローナのアイーダを中止に追い込んだだけありました(笑)。