一、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
御殿、床下
〈御殿〉
乳人政岡 藤十郎
沖の井 時 蔵
松島 扇 雀
栄御前 秀太郎
八汐 梅 玉
〈床下〉
仁木弾正 幸四郎
荒獅子男之助 吉右衛門
二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
吉田屋
藤屋伊左衛門 仁左衛門
吉田屋女房おきさ 秀太郎
阿波の大尽 秀 調
太鼓持豊作 千之助
番頭清七 桂 三
吉田屋喜左衛門 彌十郎
扇屋夕霧 玉三郎
また、行ってしまいました。
伽羅先代萩、初めて観ます。
坂田藤十郎はこれまで縁がなく今回が初めてです。
年齢も考えると今の内に観ておきたいとの気持ちもありました。
流石に声の通りは厳しいものはありましたが、
息子が目の前ので殺される場面での表情、母の嘆きの表現は流石のものがあったかと。
栄御前の秀太郎も手中の演技、
梅玉の八汐も憎々しく良かったですね。
床下では荒者の代表者たる荒獅子男之助を演じる吉右衛門、
さすがの存在感、幸四郎は無言ですが天下の悪役仁木弾正を慄然として姿で
表現しておりました。
さて、今日のメイン仁左衛門の伊左衛門。
上方和事の代表的な作品であります。
4月の信綱陣屋が空前絶後の名演であったと聞く仁左衛門。
69歳とは思えない色気、可愛げ、千両役者です。
そう言えば昔は前半の八汐の役で壮絶な表情で
子供を殺す役どころを務めたこともあったと聞きます。
そして玉三郎の夕霧、出番は少ないですが
(古い言い方ではありますが)ゴールデンコンビですね~。
幕切れなど、仁左衛門と並んで何と美しいことか!
60代カップルとは思えません(笑)。
芸の力はスゴイですね。
他には彌十郎の主人が味がありますね、
何しろ声が良いですな~、秀太郎の嫁とも良い組み合わせです。
太鼓持ちの千之助、ほんの子供だったのに上手くなりましたな~。
この人の成長も楽しみです。
では。