第607回 定期演奏会
2013 2/11(月・祝) 2:00p.m. サントリーホール

マーラー:歌曲集「亡き子をしのぶ歌」*
フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」作品80
ドビュッシー:交響詩「海

ワーグナー ヴェーゼンドンク歌曲集より 夢 (ニキティン・Vソロ)

ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト)
ユベール・スダーン

風は強く寒いですが、晴天。
少し散歩してからサントリーホールへ。

最初は録音ではかなり聴いてきたシュトゥッツマンの亡き子をしのぶ歌。
朗々と響き渡る深い声、正にコントラルト。
冒頭はやや声に潤いが欠けているかなと思いましたが、
全くの杞憂、この暗い歌曲を包み込む母性のようなものを感じました。
もう10年前であれば、さらに艶があったのかしらむ?
この声で大地の歌を聴いてみたい想いを持ちながら聴いていました。

今シーズンはマーラーの歌曲集を含めながらのプログラミングですが、
ペレアス、海ときて、最後にアンコール的にワーグナーのヴェーゼンドンクとなれば、
これは避けがたい不義の愛がテーマなのですね。
ペレアスとメリザンドはご存じの通り、海はドビュッシーとエンマが駆け落ちした
直後に書かれたもの、そしてワーグナーは夫人との不倫、しかも
夢はトリスタンのモチーフがこれでもかと言わんばかりに使われています。

演奏はフォーレは爽やか、シシリエンヌがかなりのスピードでしたが、
気持ちの良い演奏でした。
そして海、これはしごかれたのでしょうね、オケの音が粒立ち
点描のような演奏だったと感じました。
ダイナミクスもあり聴き応えがありました。

そして定期では珍しい、アンコール的なワーグナー。
ニキティンの艶やかなソロで幻惑の世界を表現してくれました。

タンホイザーで?だったオケとは思えない充実振り、
軍曹がいると部隊は引き締めるのですね(笑)。

東響は次は3月定期で秋山の嘆きの歌です。
東響は来シーズンは定期とオペラシティのダブルで定期会員となりました。
じっくりと付き合ってみます。