小田原尊徳マラソンでの出来事で、思いのほか、世間を騒がす事態となってしまいました。


 「替え玉」って~走力のないランナーが、速いランナーに頼んで自分の名前で優勝してもらう~とかいうことならそうかも知れませんが、今回のは、いわゆる「代理出走」です。「悪気はなかった」というのは、まあ、確かにそうなんでしょうけどね。ただ、優勝しちゃったんで、、、


 何年か前、焼津でも同じことで大きく報道されたことがありましたが、こういってはなんですが、似たようなことは、残念ながら、そこかしこで耳にすることではあります。


 ただ今回の場合、市の体協主催の大会で、身内である市職員がやったことであり、しかも外部からの指摘があって発覚したとあって、捨て置けなかったんでしょう。


 

 さてさて、それではこれは、そんなに悪いことなのか~というと、、、


 (1)そもそも代理出走は、ルール違反=不正行為です。これについては後述します。


 (2)優勝し(入賞でも同じですが)、表彰式に出て、賞品を受け取ってしまったのが非常にまずかったですね。不正をして搾取したことになります。大げさに言うと、詐欺行為です。万引きと同じで、後で返したんだからいいだろってもんではありません。

 

 代理出走自体が既にアウトではありますが、走って、後で優勝(入賞)したとわかったら、さっさと自首してそこで謝って取り消しにしてもらうべきでした~。


 不正は、他の人の権利をも侵害します。本来、優勝だったはずの人は2位に、ギリギリ入賞だったはずの人は圏外に追いやられるわけですから。


 代理出走(不正出走!)をして、知らないうちに入賞(特に、年代別表彰など)しちゃって、ヤバいと思って、表彰式をバックレて帰った~なんて話も、実は耳にすることもないではありません。全国では相当な数があるのでしょう。 


 しかし、賞品を貰わなかったから無実なわけではなく、(自首して取り消しにしてもらって)順位訂正が為されない以上、人様に迷惑をかけているということを知るべきです。



 さてさてさて~代理出走はルール違反=不正行為~って話に戻りますが。


 正規にエントリーして、参加料も払っているんだから、その1枠は自分の出走権利である。体調不良や故障等、自分が走れなくなったら、その権利は、自分が誰かに譲渡出来るものである~という考えは、残念ながら、この世界では成り立ちません。


 権利を譲られた人は、他の出場者に対し、フェア(公平)ではない~というのがその最大の理由です。特にエントリー合戦が熾烈な昨今、これは強くなっていますね。


 また、代理出走者が途中で倒れ、意識不明になった場合、本人確認が出来ないというか、確実に誤認されます。これは絶対にあってはならない事態です。



 当日の朝、正式に選手交代が出来るシステムを作ったらいいじゃないか!~という声もあります。しかしこれは、そもそもの「代理出走禁止」と同じ理由で実現が難しいです。というのは、「交代」を認めてしまうと、出走権が売買の対象になりかねないからです。


 はじめから転売目当てでエントリーし、参加料の何倍もの金額をふっかける~交代がアリなら、そういうダフ屋さんみたいなのもたくさん出てくるでしょう。実際、東京マラソンも最初の頃は、ナンバーカードなり、その引換券なりがネットオークションに出品され、高値が付いたというようなことがありました。


 まあ、東京マラソンに関しては、家族や知人などの名前を使って抽選に大量申し込みをする~というようなことも蔓延しているようですね。それで誰かが当たったら、なんとかナンバーカードと引き換えて、自分が走ろう~と。これは「なりすまし出走」です。


 2人分当たっちゃったら、誰かに譲る(代理出走させる)か、売買するんでしょうか。。。そんなんでこんなんで、どんどん倍率が上がっていくというのも困ってしまいます。