ピューリッツァー賞作家の妻感動の過去2 | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

みなさま、こんにちは。

いつもコメントをくださる大好きな方々がそろってコメントをくださり、わくわくしてくださるのがとってもうれしいです。

こういうとき、ああ、ブログやっててよかったな~、感動をいっしょに味わっていただけるんだな~としみじみうれしいです。

ピューリッツァー賞ノンフィクション部門を受賞したギルバート・キングの妻のことは、こういう賞を受賞することが仮になくてもいつか書きたいなと思っていました。

その機会がこんなに早くおとずれてうれしいです。

ギルの妻の人生が180度転覆しちゃうことになるのは彼女が16歳のとき。
みなさん、16歳のとき何をなさってました?

たまたま先週うちの娘が16歳になったんですが、しっかりしているようで、まだまだ世間の荒波の中に一人で出すには子供ですよね。

彼女が生まれ育ったのはカリフォルニアの定型的な田舎町。
スリーピーという形容詞がぴったりの退屈な、しかもわりと低所得者が集まるエリアなんです。

敬虔なカソリック教徒のご両親には、彼女を筆頭に6人も7人も兄弟がいました。
そして、みんなびっくりしないでね。
彼女の家庭で大学まで卒業したのはこんだけ兄弟がいっぱいいても彼女だけ。
ご両親も高校までしか出てらっしゃいません。


ご両親の学歴について書く必要がないのではというコメントをいただきました。
が、ご両親が大卒であるのと家族に大学を出た人間がいないのでは大学に入学できる大変さに雲泥の差があります。それを明確にするために書きました。彼女自身、「うちの家族で大学を出たのはわたしだけなの」といいます。それは暗にあなたたちにとって大学に行くことは当たり前でも、わたしにとってはものすごく大変なことだったの、というメッセージです。
しかもメディカルスクールとビジネススクールを卒業するって並大抵のことではありません。
それについてアメリカの大学受験に関する多くのみなさんがご存知ないかもしれないことを次回補足させてください。
ある意味試験の点数の完璧な公平さを基準にアメリカのトップアイビーリーグは学生を採用しないというお話です。



その彼女、16歳のとき、スリーピータウンを飛び出してニューヨークに来ることにきめます。

女優になりたい一心でした。
無一文で飛び出したのです。

ニューヨークにいけばなんとかなると思ったのは若気の至り。
もちろん、人生そんな簡単じゃないわよね。


女優になるべくオーディションを受けるかたわら、アクティングスクールに通いつつ、その費用はすべて自分で工面しなくてはいけません。

年より大人っぽく見えた彼女、すぐにウエートレスの仕事を見つけて働き始めるの。

えっ?
高校はやめて来ちゃったかって?

いえ、聡明な彼女、2年早巻きで16歳で高校を終えてニューヨークに来たのです。


それから20歳代前半までそんな生活を続けるんだけど、この間、どんな苦労や苦渋をなめたことか、想像を絶するものがあるに違いないと思います。


数年向こう見ずにがんばってきたんだけど、女優になるには少し無理があるかも、と思い始めたのでしょうか。

やっぱり、大学に行っておいたほうがいいかなという方向転換をはかります。

ここなんですよ。

若気の至りでニューヨークにやってくる人は五万といるでしょうが、夢破れたとき、一時的に辛さから逃れるためにドラッグに手をだしたり、それはなくてもすごすごと引き下がるんじゃなく、きちんとした方向転換ができる。

2年早巻きで高校を卒業できちゃった聡明なお嬢さん、勉強が好きなんでしょうね


でも大学に行くっていっても、子だくさんの実家の両親が学費を工面してくれるはずがありません。

だから、何年もかかってゆっくりゆっくり大学を卒業するのよ。

そして次にはメディカルスクールを目指すのよ。
ここからは学生ローンのお世話になって。。。。

小児科医になりたいと思ったのです。


メディカルスクール以降のいきさつは前回の記事の通りです。


ギルと知り合ったころはすでに小児科医になるべく勉強していたころです。
知り合ってすぐに恋に落ち、子供ができたんでしょうね。

子供は最低でも2人、できればニューヨークの最高の教育を与えたいとの決心は固かったのです。

どうしてもプライベートスクールに入れたかったという彼女。
でも、夫もサポートしつつ、そのために彼女がしてきた苦労はいかばかりのものでしょう。


一方、桁外れに裕福な家庭が多い娘たちの学校、というかアッパーイーストの私立校ならどこも同じようなものだとは思いますが。

実際、彼女の細腕で、2人の子供をプライベートスクールに入れるのは簡単なことではありません。

彼らが住んでいるのは、アッパーイーストでも、ヨークビルといって、イーストリバーにほど近いマンハッタンでも最も家賃が安く、しかも安全なエリアです。
このエリアにはStudioや1Bedroom の小さなアパートが結構多いんですよね。

彼らが住んでいるのは古ぼけたブラウンストーン、エレベーターもドアマンもなく、歩くと床がきしっと音を立てるそうです。


うちも子供が小さいときは、すごく仲良しだったお嬢さんがビリオネアの娘さんで、プライベートジェットで旅行する世界の人たちでした。

またあのダグラス・マッカーサーの孫にあたるお嬢さんは、彼女のお世話をするスタッフがいて、家にはシェフ、ママには運転手がいて、フル装備でご主人さまのお告げをまつ世界。


イギリスの公爵家におねえちゃんが嫁いだというママもいます。
「今日は、銀行に預けている宝石をつけてみたの」
ってな感じです。
それをさらっと嫌みなくおっしゃる方たちと父兄として仲良くしていかなくてはいけません。


もちろん、こういうことを子供たちはずっと知らされずに育つわけですが、子供だって、お友達のおうちに遊びに行くたびに何かうちとは違うと思うはず。


特にマテリアルに目覚める中等部のころはオリビアちゃんもきつい思いをしたんじゃないかな。

うちも、泣かれました。
「一度でいいからファーストクラスに乗ってみたい」って。
我が家の方針はプライベートの旅行はエコノミークラスと決まっているのです。笑


こんな難しい時期をのりこえ、今オリビアちゃん、きっぱりといいます。
「わたしの母はわたしのメンターよ。本当にすごいと思う」って。


子供って、親の生き方、結構しっかりシビアに見てますよね。特に聡明な子はちゃんとわかっている。


ギルがピューリッツァー賞を取れたのは、彼女が腹をくくって、うるさいことを言わず、信じて好きに書かせてあげたから。

これ、なかなかできることじゃないですよ~。
結婚して20年。
その20年は長かったはずです。


だからこそ! いわせてよ。
本当に本当におめでとう!!!!!


お祝いは、彼女にご紹介して以来、彼女も大大大ファンになってくれ、わざわざダウンタウンまで通ってらっしゃるこちらのワインストアーから、もう一人のありえないいい男, セルジオさんが心をこめて作る100%オーガニックの、でも信じられないぐらいおいしいワインをケースで。


ここではケースで買うと20%引きとなりますし、マンハッタンなら無料で配達してくれますよ。
クリストファーストリート&ブリーカーストリートの近く、ラグ&ボーンの隣です。

それからここで近々発売になる、アルマニャックがちょこっと入った芳醇な香りがたまらないシャンペンも1本おつけしよう。

 

 

 

 

 



 




 

">そしていっしょに行きたいなと思っているのがこちらのレストラン。
ミシュランでも推薦されちゃったので、ただでさえ狭くて入れないのがますます席がとれなくなっちゃいました。


 

 

 

 


ブリーカーストリートにあります。