みなさま、お元気ですか?
今日は、不謹慎とお叱りをうけることを覚悟で、こんな形で沈みがちなみんなの気分を上げ、ついでに経済を活性化させるのはどうかという提案をいたします。
アメリカVOGUE誌の編集長、アナ・ウィンターは、2008年の大不況の後、市長のもとを訪れ、粋なリーダーのお尻を叩き(?)、素敵な経済活性化政策を提案し、実行にこぎつけました。
日本でもそろそろ自粛ムードを抜け出し、V字回復を狙ったこんなイベントはいかがでしょうか。
今の日本復興はおそらく相当な長丁場になることが想像されます。
みんないつまでも縮こまっていては、被災してない人たちまで共倒れになっちゃう。
だからこそ! 暗くうっ屈した気持のガス抜きをしながら、気分をUPさせて気長に行きましょうよ。
長く続く地震が怖くないといえばウソになります。
これから、原発はどうなるのか。
手放しで喜べるニュースがあるわけじゃなく、不穏な気持は払しょくできません。
でも、わたしたちは一人じゃない。
心を同じにする人たちと集まって、ただ共感する場があるだけで、気持は信じられないほど楽になるはず。
そしてまた明日からがんばろうと思えるはず。
明日からまたがんばろう、
その気持ちを持ち続けることが肝心なんです。
今こそ、ファッション業界だけではなく、大手メーカー、銀行、美術館、デパート、レストランが一丸となり全国の都市で、ニューヨークが大成功させたファッション・ナイトアウトを開催しましょう!
2008年、百年に一度の大不況のため、ニューヨークの消費はすっかり冷え込んでしまいました。
その際、アナ・ウィンターが提案したのが、このファッション・ナイト・アウトでした。
遅くまで街中のブティックやレストランを開け、街のあらゆるところに、セレブやハリウッド女優、モデルたちに飛び入り出演してもらいます。
さまざまなイベントを至る所で繰り広げ、みんながお祭り気分でお買い物を楽しめる夜を演出したのです。
不況で財布のひもが固くなり、気持が委縮し、家にこもりがちだった消費者に働きかけ、出かけて楽しもう、何か買おうという意欲を促したのです。
アナがこの時まずアプローチしたのは、あの粋なブルムバーグ市長でした。
「お花見も自粛」なんて、これまでの発言からは予想外の殊勝な(?)発言で驚かせたどこかの知事とは違い、市長は二つ返事でOK。
さすがゼロからビジネスを築いた元ビリオネアです。
楽しみながら消費を促し、経済を活性化させることが、ニューヨークにとっていかに急務であるかを理解していたのでしょう。
アナが次に訪れたのは、アメリカ大手デパート、メーシーズとブルーミングデールズを抱えるCEOのところでした。
「わたしがシエナ・ミラーをあなたのデパートに送るわよ、きっと成功するわ。やりましょう!」
こう、業界のドン、アナ・ウィンターに言われて、首を横に触れる男がいるでしょうか。
大手デパートのCEOたりとも、さすがたじたじとなり、NOとは言えなかったのでしょう。(´0ノ`*)
メーシーズがOKといえば、他のデパートもこれに続きます。
有名デザイナーたちも当然GOサイン。
こうして最初は、おっかなびっくりで始まったファッション・ナイト・アウトでした。
が、結果は、大成功。
初年度の2009年、メーシーズの売り上げは、55.5%の伸びを示したそう。
2010年もさらにニューヨーク全体の景気は上昇し、まさにV字回復を果たしたのです。
このファッション・ナイト・アウト、パリにお住まいの方なら「はは~ん」と思われることでしょう。
そう、パリで開催されたあの「Nuit Blanc」をお手本にしているのです。
ちなみに昨年のファッション・ナイト・アウトでは、ハイチの地震&津波災害救済のためのTシャツがデザインされ、至る所で売られました。
夜、仕事の後に、ちょっと特別な気分でお出かけし、カクテルを楽しみながらお買い物。
しかも、その売り上げが直接救済につながるとしたら・・・・。
これこそ、Win-WInではないかしら。
日本でこれを開催するとしたらこんな感じはいかが?
札幌、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、広島、博多、長崎などの大都市でいっせいのせで同時多発とします。
できれば、日本を代表する会社が協賛してくれればこんないいこともありません。
ちなみに、トロントまで波及したファッション・ナイト・アウトでは、ノーヴァスコーシャ銀行が協賛しましたよ。
ぜひ! ファッション誌も一役かってほしい。
これまでさんざん日本市場で大もうけをしてきたフランスのLVMHなど一流ブランドも、きっと参加してくれることでしょう。
またブティックやデパートだけではなく、美術館もアーチストをゲストに迎え、特別なイベントを開催してはどうかしら。
この日ばかりは、計画節電はなしとし、デパートなど、多少店内は暗くても、それもロマンティックでよしとしましょう。
小さなブティックならキャンドルをたくさん活用してはどうでしょう。
耐え忍ぶことは日本人の美徳。
でも、発散する場がないまま耐え続けるのは難しい。
そろそろこれからの長期戦に備えるためにも、ここらで自分にご褒美をあげていいんじゃないかしら。
今、わたしの周囲では、だれもが何らかの形でボランティア活動か、義援金集めか、またはその両方にかかわっています。
きっとみなさんの周囲も同じではないでしょうか。
ニューヨークから徹夜で日本に連絡をとり、政府と交渉して、会社の厚生施設を避難所として提供したまきこちゃん。
子供のためのアートセラピストという特技を利用し、寝袋持参で東北にボランティアに行く気で待機しているふくちゃん。
ご存じ、何度も物資を福島県と宮城県に届けた子供地球基金の鳥居晴美ちゃん、
特別なことではなくても、避難所の近くに住む利点を生かし、お洗濯のボランティアを毎日受け持っている方もすばらしい。
被災地の方々のためにと、新品の下着をたくさん買って届けた友人、知人。
こんなに日本人が他人を思いやり、心をひとつにしたことがかつてあったでしょうか。
こんなすばらしい国民、世界広しといえどもそういないと思います。
だからこそ、息抜きのお祭り騒ぎは、真面目な日本人の沈みがちだった気持を盛り上げるうえで大きな役割を果たすことになると思うのです。
日本で、ファッション・ナイト・アウトが実行されることを願って❤
謹んで追記
今回の記事に対し、みんな自粛したくて自粛しているのではない。
あまりに多くの命が失われたことにたいし、打ちのめされている、そう簡単なことではないとメールをいただきました。