日本の貴公子、世界舞台でしきる!! | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

日本のみなさま、おはようございます。


ニューヨークからこんばんは。

母の日、みなさま、いかがお過ごしでしたか?

ニューヨークは晴天に恵まれた日曜日でした。




先週は、前半、被爆者の方々を子供が通う学校にお迎えし、

証言をしていただく企画&通訳のボランティアに始まり、

後半は、6年間かかわってきたInwood House のボードミーティングに、

2日間、朝から晩まで缶詰になるというちょっとタフな週でした。



180年の歴史を誇るInwood Houseにとって、ものすごく重要な決断をしなくてはいけない会議で、

朝から晩まで、まさに数字とのにらめっこ。


とても厳しい会議となりました。


事の重大さに、今週は、正直夜も眠れない日々を過ごしました。



そんな、精神的にもきつい一週間でしたが、

ひと時のすばらしい時間も過ごしました。




今や世界舞台で「指揮る」日本の貴公子、(ってちょっと昔の少女漫画みたいな言葉を使いたくなる方です^^)

TV「徹子の部屋」や「情熱大陸」でご存じの方も多いと思いますが、

日本が誇る指揮者、大野和士さんが、

今ニューヨークのメトロポリタン・オペラ劇場にてタクトをふってらっしゃいます。



そして、先週は、

その大野さんと長年親しくしてらっしゃる子供地球基金 を主宰する鳥居晴美ちゃんご夫婦にご招待いただき、

大野さんが指揮なさるワーグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」を観てまいりました。



ベル鳥居晴美とはこんな人です

淑女の仮面をかぶった男前、鳥居晴美と子供地球基金



そしてオペラの後には、大野さんの奥さまでジャーナリストでもいらっっしゃるゆり子さんにご案内いただき、

大野さんの控室にもお邪魔しました。




控室でお目にかかった途端、

「いつも二人でブログを拝見しているので、

初めて会ったという気がしません」

と、おっしゃってくださった大野さん、

めちゃくちゃうれしかったです。




晴美ちゃん、そしてゆり子さん、ありがとうございました!

記念すべきすばらしい宵となりました。




最後まで退屈しないで見られるかしら~と心配していた夫が、

2時間半、まばたきもせず、食い入るように楽しんでいました。


最後には、目に涙さえ浮かべて・笑



帰宅途中、タクシーの中からオペラ好きの義母に、

☎で感激を伝えていた夫です。


よっぽどうれしかったようです。


ワーグナーのオペラにはまったくの素人の彼をここまで感動させられるということは、

これぞ、大野さんの指揮が究極である証しです。



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photo/こちら から
ベルギー王立歌劇場の音楽監督を務め、2008年からはフランス国立リヨン歌劇場の首席指揮者として活躍
9月3日、日本でもサントリーホールで小山実稚恵25周年記念公演をなさいます!



大野さんは、ご存じの方も多いと思いますが、今や「世界の大野」といっても過言ではない指揮者です。

2007年に、「アイーダ」で指揮をなさったのがメトロポリタン・オペラデビューとなり、今回が二度目。



今回は、しかも!

長くて、困難なことでも有名なワーグナーです。

演目は、

Der Fliegende Holländer


さまよえるオランダ人



ご存じのようにワーグナーのオペラは長いことで有名なこともあり、

プッチーニなどに比べると決してビギナー向きとはいえません。



この演目も途中休憩なしでぶっ続けで約2時間半弱という、

指揮者かばりか、演奏者もオペラ歌手も、また観客にとっても、かなりの強行軍。


プッチーニやヴェルディなら、

ドミンゴやパパロッティが大活躍しているころ、

シーズンチケットを購入し、「トスカ」「オセロ」「椿姫」など主に素人好みのものを夫と見ていた時期もありました。



ですが、ドイツ語のものといえば、

ドン・ジョバンニを、初公演地プラハで見たぐらい。



ワーグナーはどちらかといえば避けていたといったほうがいいかもしれません。



正直にいって、長い1日の後、最後まで退屈しないで見通すことができるのか、それが心配でした。


が、その心配は全くの杞憂に終わりました。



これというのも、大野さんのカリスマ性と気品あふれる指揮のもと、

 (後ろ姿の流麗な動き、なんとも美しい)

一糸乱れず紡ぎだされるオーケストラの旋律に導かれ、

観客と舞台が一体となり、飽くなき感動の連鎖に包まれるから。



物語は、オペラの特権? といっていい悲劇。

ドミンゴがめちゃくちゃ適役で大好きだった「オセロ」に似た、「裏切り? ああ勘違い」の悲劇です。



大時化の日、神を冒涜したために、呪いをかけられ7年に一度しか陸に上がれなくなった幽霊船の船長、

陸に上がっている間に、永遠の愛を誓い、貞操を守れる乙女にめぐり合えば、呪いは解けるという筋書き。


やっとお目当ての乙女に出会うのですが・・・・

その彼女には彼女を愛する男がいます。



で、ある時、乙女がその男と一緒にいるところを見た船長は、

彼女が自分を裏切ったと思い、彼女を置いて船に乗り去っていきます。


それを見た乙女は、純愛を叫び、貞節を証明するために海に身を投じます。

皮肉なことに、死ぬまで純愛を誓ったその乙女のおかげで、皮肉なことに船長は呪いを解かれるのです。





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左から晴美ちゃんのご主人、北村さん、晴美ちゃん、大野さん、わたし、そして奥さまのゆり子さん。



2時間半近くもの間、現実を忘れ、

オペラに没頭し、まさに瞬きも忘れて堪能させていただきました。


オーケストラの演奏家たち、

舞台で歌うオペラ歌手たちを一本のタクトで束ね、

これほどの悦びと感動を観客に与えられる大野さん、凄いです。



最後はもちろん、スタンディングオベーションでした。


晴美ちゃんが後で、

「大野さんってね、カラオケとかも行くのよ、演歌がめちゃくちゃうまいの~」

と、こっそり教えてくれました。




実は親友、フクちゃんも大野さんとは親しいのですが、

「大野さん、二枚目だけど、めちゃくちゃ気さくで面白い人よ~。

それにゆり子さんも本当に素敵な人でしょ。今度一緒に飲みに行きたいね~」

と、言ってましたよ。


本当に素敵なご夫婦で、こんな形でお近づきになれる機会を得て本当に感激です。



そういえば、大野さん、湘南ボーイなんですね^^

大野さんの出身高校には、大学時代に仲良しだった男ともだちが結構いたことを思い出し、

勝手に親近感を抱いてしまいました・笑





メトロポリタンオペラ劇場での、大野さんが指揮する「さまよえるオランダ人」は、

まだ今週10日と14日に公演があります。


ぜひぜひご覧くださいませ。チケットはこちらへ



今週もがんばって乗り切りたいと思います!

みなさまもよい1週間となりますように。



大野さん、ゆり子さん、

またヨーロッパか日本でお目に書かれます日を心より楽しみにしています。



そして、14日の公演まで、大成功に終わりますよう、

世界の大野、ふれ~ふれ~と

手をちぎれんばかりに応援しています!