弱者たちのニューヨーク | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

ニューヨークといえば、

生き馬の目を抜く、という形容詞がぴったりの

弱肉強食が、

みなさんのイメージでしょうか^^。



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昨年のマイアミ、アートバーゼルより。タイトルはファイナンシャル・クライシスとかそんな感じだったと思う。





それも正しいかもしれないけれど、

意外や意外、弱者にもやさしいのがニューヨークかな~と最近しみじみ思います。




夏以降、乳製品とチョコレートに対し軽いアレルギー症状を訴えるようになった娘。

そうなってみて、

たかがアレルギー、されどアレルギー、




親にしてみれば、

最初は原因が分からないまま、

吐いたり、腹痛を訴えたり、

全身に湿疹ができ、痒くてどうしていいかわからなくて泣いている姿をみると、

慣れないわたしは、情けないけどおろおろするばかり。

発作が治まった後も、その姿を思い出しただけで可哀そうで涙が出てくる始末。



だめじゃないか~! しっかりして! と自分でカツとつっこみを入れておりました。



学校に送った後も、

何かにあたってまた湿疹が出たり、おなかが痛くなったりしないかしら、と考え始めると

いてもたってもいられなくなります。




他にも今ちょっと心配ごとがあって、

朝、憂鬱そうに出かける姿をみると、もういけない。

大丈夫かしら、可哀そうと、思い出すだけで涙が出てきたり。




独身のときは、怖いものなし、なるようになる、と開き直っていた自分が、

守るものが出てくると、こんなにも弱くなってしまうのか、と実感しています。





でも、こういうときは、ニューヨークで子育てをしていてよかったと実感できるときでもあります。




確かにニューヨーカーって冷たいイメージだし、

なかなか中に入れてくれないし、

嫌なところもいっぱいあるけれど、

ひとつ、評価していいなと思えるのは、

弱者に優しいこと。




それは弱者に対するケアやボランティア活動という社会貢献やチャリティに限らず、

もっと身近な部分でもいえることです。




ニューヨークで子供が生まれ、

ナーサリースクールに通うようになって

いかに、ここには、ナッツ類に対するアレルギーの子供が多いかを知ることになりました。




しかもそれは、ちょっとおなかを壊すとか吐くというレベルではなく、

まさに生死にかかわる問題。




重傷な子をもつお母さんは、

発作が起こった時のために、常時注射器を持参していると、

オーストラリアにお住まいでインテリアのセンスがすっごくいいVenus さんも書いてくださいました。




そのため、特に多いナッツ類のアレルギーを持つ子を思いやり、

ニューヨークの多くの公私立校では、

給食もお弁当も、

ナッツ類は一切禁止されていると過去記事でご紹介しました。



サマーキャンプもしかりです。



またニューヨークの学校では、

4年生ぐらいまでは、子供のお誕生会を教室で開いてくれるところが多いようです。

その際にカップケーキやドーナツをみんなに持参してお祝いすることになっているのですが、

アレルギーの子がクラスにいる場合は、

必ずそのお母さんに連絡をし、

その子も食べられるレシピを聞くようにしています。




そうすると当然だけど、すごく喜ばれます。



また、アジア人に多い乳製品に対するアレルギーの他、

グルテンに対するアレルギーもすごく多いのです。

本人ももちろんですが、周囲も本当に大変です。





でも、そんな弱者を対象にした企業努力も相当なもので、

グルテンフリーの表示のある食品や

ラクターゼを分解してくれる錠剤や、

ラクトースフリーの牛乳が買えるという話もしました。



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どちらも我が家の必需品でござます。




アレルギーだけに留まりません。

障害を持つ子供など、

スペシャルニーズの必要な子供たちに対する「視線」や「ケア」にも同じことを感じます。

(この話題を掘り下げるのはまたいずれ、ということで^^)

特別視したりすることはなく、とても自然に社会に溶け込んでいるかんじ。




弱者の立場にまわるとこれは本当にうれしいことです。




わたしの周囲には、お料理上手の友人が多いのですが

彼女たちに比べ、イマイチ、自信がないわたし、

ですがようやっと!

「よっしゃっ! ほなら、見栄えもよくて、アレルギーフリーの美味しいもの、作ったろうやないかィっ!!!」

みたいな元気がむくむくと出てきましたで~・笑




ご存じ、人種のるつぼのニューヨーク、

周囲には、「異」なる人がいっぱい。



たとえば、あるインド人の知人は、

宗教的な理由から、

生まれた時から一度も肉、魚は口にしたことがないといいます。



それでも身長は165cm、痩躯だけどバランスがとれています。



そんな具合に、食事に対しても、いろいろな価値観が存在し、

「異」なるものが混在するニューヨーク。

一概に何が正しいとはいいにくい社会ですね。



だからかしら。

「異なるもの」があって当然、

「弱者」に対しても、

理解があり、共存するのが当然と考え、優しいのでしょうか。



日本で牛乳の歴史をひも解くと、

どうやら、幕末に鎖国が解けたとき、アメリカから入ってきたようです。




それまで、農耕用に牛は飼っていても乳を飲むということはなかったんですね。

(これは幕末に日本に宣教師の妻としてやってきたマーガレット・バラーさんという方が書かれた彼女の日記で知りました。)



日本人の多くにラクターゼが欠如していても当然かも。



小学校のとき、給食の牛乳が飲めないで、いつも最後の最後まで残されていた子いましたっけ。



ある日、あんまり可哀そうで、

古かった教室の木の床の小さな穴から

こっそりその子の牛乳を流してあげましたっけ^^    なはは。



アレルギー体質の子=虚弱な子

というレッテルを張っておしまいにするのではなく、

そんな弱者も同じように胸を張って

安心してみんなと共存できる社会になるといいですね。



ベル日本でもあるそうです! ラクトースフリーのミルク!!!!!

   Sさん、コメントありがとうございます!


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MEGMILK「おなかにやさしく」 http://www.megmilk.com/onakani/



さて、

いよいよニューヨーク、食のダークサイドに続きます^^

今回のダークサイドは、「なんちゃって」のオチはないのよ。

本気のダークサイドよ~。



ということで、書くほうも気合いを入れないと^^

みなさんも気合いを入れてお越しくださいませ!



今日もよい1日を!!!!