ベアスターンズがシャボン玉のように消えて、JPモーガンに吸収されたのが昨年3月。
リーマンブラザーズが結局、政府から見放され、
倒産を待った後、英国のバークレーに買収されたのが9月。
以来、世界中の新聞やテレビでは
Crisis,
Bail Out
という英単語を目にしない日はなくなってしまいました。
オバマ大統領でさえ、スピーチのたびにこの単語を一体何度繰り返すことでしょう。
けれど、
言わせていただくなら、まず、Crisis(危機)といういい方はぜひ!!! 今この瞬間から
おやめいただきたい。
Crisisではなく、Crunchではいかがでしょうか。
これなら、一瞬の調整可能な収縮といった軽い意味あいです。
言霊といいますが、
単語にはそれを口に出した瞬間から、
その意味が強いものであればあるほど、
その意味が人を暗示にかけ、凌駕し、
感情的に大きく左右する力すら持っていると思うからです。
いつもThank youと笑顔で感謝し、
ポジティブな言葉たちを使って暮らしていれば、
おのずと幸運が引き寄せられてくるように、
Crisis という言葉を繰り返していれば、
人間、ネガティブな言葉に圧倒され、影響され、
どんどん不安は増し、
そのドミノ効果は、インターネットやメディアを通じ、
瞬時に広がっていき、小さな雪玉は瞬く間に
雪崩のようになってしまうことでしょう。
もうひとつの言葉、
Bail Out
これは、船底にたまった水をくみ上げること、という意味や、
経済的な救済をする
という意味があります。
そして、日本の新聞では、これを「(経済的な)救済」と訳していることが多いようです。
でも・・・・・・
救済と書かれているために、
AIGや金融各社、自動車業界に投入された兆円(ビリオンドル)という天文学的なお金を、
国税から「与えている」と誤解している人がアメリカではすごく多いことに驚かされます。
でもこれは、金利5%での融資なんです。
だから本来なら、Bail Outではなく、
はっきり、Loanと書けばいいのに、と、
そう残念に思うのはわたしだけでしょうか。
90年代、財政危機に見舞われたメキシコは
アメリカにBail Outを要請してきました。
議会では大反対の声もあったのですが、
お隣の国だし、
もちろん、万が一のことでもあればアメリカへの影響もあるということで、
「救済」をすることにしました。
そう、融資です。
で、メキシコはその後、そのことに感謝し、
頑張り抜き、
結局期限より早く返済を終わりました。
こういうことも念頭にいれておけば、
今無意味に国民の不安や誤解、
怒りをあおり立てる単語は
即刻使用中止にするだけでも
冷静さを呼び戻し、
大きな「ポジティブ」な効果があると思うんだけど、
いかがなものでしょうか^^