うちは、実は投資に関するプリンシパルはかなりコンサバです。
v 投資に関するプリンシパル
うちの夫はビジネススクールを24歳で卒業して以来、ずっと投資銀行に勤めております。
そして、わたしが結婚以前から持っていたお金を10年で5倍にしてくれたと書きましたが、それは本当で、時々友人、知人から投資のご相談を受けます。
しかし! です。
ここで誤解のないようにきちんとお断りせねば。
確かにわたしのお金は5倍、いや今では7倍近くに増えたけど、(元金はたいしたことないです)
かといっていつもいつも儲かってばかりいるわけじゃないことは申し上げるまでないことです。
数年前にもありましたよ、
一瞬のうちに、数十万ドルの単位で消えてしまったらしいこと
い、い、い、痛い~。
「らしい」というのは、夫に任せているので、報告によると、という意味です。
夫がよく言います。
「みんな儲かった話だけ吹聴して損した話はしないだけなんだよ。
儲かるときがあれば損するときもあるんだよ」
それに、儲かる人がいれば、損する人も存在する。
だから、たとえどんなに勝算があり、自信があっても、
借金をして資金を作ってまで株式投資をすることはありません。
あくまで当面必要のないお金だけを回す、というのがわたしたち共通の考えです。
つまり、先物、空売りは、会社からの規則もあってできませんし、元々したこともありませんでした。
ご存知のように80年代後半以降ウォールストリートで起こっているインサイダー取引の影響で、
昨今はセキュリティ・チェックがものすごくうるさく、
管理職はセキュリティの知識に関するテストを何度も受けなくてはいけません。
社員が毎日送る膨大な量のEメールが、それぞれの上司と会社のリーガル部門によってチェックされているし、社員は、投資を信託していい会社も決められており、その拘束は親族一同にまで及びます。
まさに、手かせ足かせ。
規制は、きっとみなさんの想像以上に厳しく、そのせいか日銀総裁のあの失態を知ると、日本の規制のゆるさがちょっと信じられないぐらいです。
妻であるわたしが日本で自分名義の口座で勝手に株を買うことも許されないわけです。
だから日本の奥さまたちのように、夫に内緒でFXに手を出し、
で大損をする心配はありませんが、
この分野で楽しむこともできません。
もちろん会社の許可さえいただけば、好きな株を買うことはできます。
でも、買う前にいちいち会社にお伺いをたて、許可をもらう必要があるため、あまり値動きの早いものは買えません。
また、夫が詳しい分野の株や債権の一部もインサイダー取引にひっかかり、買うことができません。
というわけでわたしたちが買える株は値動きの遅い、長い目でみないとダメなものばかり。
加えて、夫には投資に対するこんなプリンシパルがあります。
たばこ関連の会社や軍事産業など、人に害を与えたり、倫理に反する会社への投資はしない。
では、どんな会社に投資するかというと、基本的には、
夢のある商品を作っている会社、社会貢献に熱心な会社、環境にやさしい会社の株を、長く持つこと。
SRI(Socially Responsible Investing/社会的責任投資)という言葉をお聞きになったことがある方も多いと思うのですが、
つまり、損得だけで投資をするのではなく、刹那的な儲けにこだわらず、好きな会社の株を長く保有する。
それがわたしたちのモットーです。
たとえば、ケアマークという会社、夫は90年から株を保有しているようですが、これまでこの会社が買収・合併された回数はすでに4、5回で、そのたびに株価を伸ばしてきています。
今もまた(敵対的じゃない)買収の動きがあって株価は伸びそうです。
上手くやれば、それなりに利益を出すことは可能。
最近ブログにお邪魔させていただいている、kaze さんの投資に関するブログは、とても参考になります。
kazeさんも、夢のある商品を作る会社、これから伸びそうな会社に惹かれるとのこと。
投資のことを書いてらっしゃるのに、読んでいてほっとするのです。
きっとkazeさんのバランスのよさがそうさせるのでしょう。
夫が株式投資に興味をもったのは、18歳ぐらいのときだそうです。
お金に関してとってもアバウトなお父さんをもつ夫。
義父は、生まれてすぐの1931年に、当時興隆していたモントリオール財界の立役者だった父親から設定してもらったという信託財産の多くを、深く考えず、どんどんチャリティに寄付してしまう人だったので、夫は高校生の頃から父親の財産を守るために、株式投資を始めたといいます。
そうそう、
子供に早い時期から株式投資を教えることについては反対。
経済の仕組みを教えるために、子供の好きそうなディズニーの株なんかを買って値動きをチェックさせるという方。それもわかります。
でも、うちでは、ぎりぎりまでお金に関してのことは遠ざけておきたい、と考えています。
少なくとも資本主義経済の仕組みの裏表、美徳も悪徳もきちんと理解できるようになる16歳ぐらいまでは、遊んでいるうちにお金が増えるという経験もさせたくないし、逆に、何も間違ったことをしていないのに、お金が減る経験もさせたくない、というのがその理由です。
そして、先進諸国の経済原理を教える前に、
もっと他に大切できちんと教えておきたいことがたくさんある、そう思うわけです。
つまり資本主義の弊害からくるダークサイドを、子供にも理解できる身近な部分から教えるとか、
コミュニティ・サービスの重要性を教えるとか、引いてはアフリカ・アジア地域を中心とする発展途上国の実情を少しずつ教えて、子供ながらに出来ることを考えさせるということなど。
つまりは、ノブレス・オブリージュを通じて社会の仕組みや矛盾を教えることに優先順位を置きたいのです。
うちでは娘の前では一切家のお金の話はしないということは過去記事で書いたとおりです。
わたしも夫もそのように育てられましたが、それでよかったと思っているのです。
小学生のうちは子供に与える情報はかなり神経を使ってコントロールしています。
ということで、ニューヨークの不動産投資
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