「あのーー。あの、時々ここに来てもいいですか」
 
 
しどろもどろになりながらも、出来るだけはっきりと声に出す。
 
彼女は桜が風に靡いている時のように優しく頷いた。
 
「もちろん」
 
その代わり、と念を押して続ける。
 
「君の写真を撮らせて」
 
俺の頭の中は『モデル』という単語で埋め尽くされてしまい、頭が真っ白、いや頭がモデルになってしまい、ただただ顔を赤らめる事しか出来ないでいる。
 
「お、俺の写真っすか」
 
変に体育会系の語尾になってしまって、今にも顔から火が吹き出しそうだ。
 
「私、記憶力があまりよくないの。人の顔とか覚えるのも苦手でね。次会った時、わからなかったら申し訳ないでしょ?」
 
 
 
 
 
 
 
皐桃うらんの欠陥―あれこれそれどれ―-4c7e073101532.gif
 
 
 
お腹空いたなぁ
今日暖かいなぁ