タダで巡るフィレンツェ観光 Part 4「最後の晩餐」シリーズ☆カスターニョ(前編) | フィレンツェ観光ガイド 加藤まり子 in 東京

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フィレンツェ観光ガイドの資格を2016年に取得しました。
現在は都内で美術の鑑賞の仕方を教えています。
詳しくはホームページから。
http://mariko-no-heya.com/

みなさま、お夕飯は済ませましたか?
今回の「タダで巡るフィレンツェ」シリーズは「最後の晩餐」です。



「最後の晩餐」といえば「ダヴィンチコード」で物議を呼んだダヴィンチの作品が有名です。

ただ「最後の晩餐」というのは一般名称で、キリストが磔刑前に弟子たちと共にした最後の食事を指します。

聖書ではとても重要なシーンで、たくさんの画家が描いているテーマです。

フィレンツェでは無料でルネサンス期の4つの「最後の晩餐」を公開しています。
今回はその中のカスターニョの作品を紹介します





最後の晩餐は主題が食事ということもあり、修道院の食堂の壁画としてよく描かれています。

カスターニョの作品もサンタポローニャという元修道院の食堂に描かれています。




この作品が描かれたのは1447年。
ルネサンスの要素がたっぷり感じられる作品です。

ルネサンス要素 その1
まずは遠近法が使われていること。
この絵、まるで向こう側に本当に聖人たちが座っているように見えませんか?


それ以前の絵はどちらかというとフラットな感じです。

サンタ・クローチェ教会の食堂の壁画です。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、一番下の絵が「最後の晩餐」を描いています。
が、カスターニョの絵と比較すると奥行き感が少ないのがわかるかと思います。



ルネサンス要素 その2
表情がとっても豊かなこと。
12使徒の性格や聖書で語られた「最後の晩餐」のシーンが生き生きと伝わってきます。

これもサンタ・クローチェ教会の壁画と比較していただくとわかりやすいかと思います。




さてさて、ルネサンス的要素について語ったところで、少し長くなってきました。
次の記事で「最後の晩餐」が描かれた宗教的背景について解説します。







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