「400万ドルの肩代わりは氷山の一角にすぎず、国民に知らされていないものがある」。核持ち込みなど、日米の「密約」問題について参考人質疑が行われた19日の衆院外務委員会。沖縄返還交渉時の費用肩代わりに関する機密公電を外務事務官から入手したとして1972年に逮捕された元毎日新聞記者の西山太吉さん(78)は、肩代わりの全容解明を訴えた。
 白髪の西山さんは、「密約」当事者の元外務省幹部ら3人と並び、落ち着き払った表情。しかし、冒頭の意見陳述は約25分間にわたり、持ち時間を大幅に超えた。「戦後外交史の中で、なぜ密約が日米同盟に集中しているのか」。時に机を拳でたたき、委員に訴えた。
 政府首脳同士が何年何月何日に会談したのか、次々とそらんじ、往年のスクープ記者をほうふつとさせた。
 当時、西山さんは原状回復補償費の400万ドル肩代わり疑惑を他社に先駆けて報じたが、これは「氷山の一角」と断言。「米側の方針は(駐留した)27年間に沖縄へ投資した7億ドルを回収することだった」と指摘した。
 特に、3億2000万ドルのほかに支払った米軍施設改良工事費6500万ドルの問題点を挙げた。「政府は78年4月から思いやり予算(米軍駐留経費の日本側負担)を払っているが、実際は72年の6500万ドルから始まった。これが最大の密約だ」と語気を強め、「日米安全保障の枠組みを変えており、国会調査権により解明してほしい」と迫った。 

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