1930年、8月17日スイスで生まれたデザイナーのAndre Le Marquand/アンドレ・マーキュランドはちょうど77歳の誕生日を迎えたばかり。
彼が1972年にデザインしたSpaceman Watch/スペースマン・ウォッチのデザインを見て、最初誰も売れるとは思わなかったそうですが、これが予想に反して、世界中で10年間に15万個も売れたのでした。
ここ最近というか、昔も今も何かにつけてコピーの殿堂中国、香港では偽物のコピー商品が多く出回ったくらい大人気でした。
数日前にご紹介したThe Old Borough Arms Hotelのオーナーマイケルはこの72年デザインのデッドストックを初め、色んなレーベルの色んなタイプのデッドストック・リストウォッチを数多く持っていて、80年代毎回ロンドンに幾たびに彼のオフィースを訪ね、片っ端から探しまくり、そのときその時にある在庫すべてをよく買ったものです。
ただひとつ、問題点は時たま起った動かなくなったというお客様からのクレーム対応に苦慮したものです。
私も個人的に写真のオーバルタイプとスクゥエアータイプを持っておりますが、デザイン性が取り柄のこの時計、実用的ではないから、使用しないでケースにいれたまま、時々眺める程度に可愛がってやっております。
昨日の松樹千年翠にうたわれているように、50年代、60年代、70年代、80年代のヨーロッパ文化で誕生した数々の逸品は、この時計だけに限らず、どれだけ時間が経ってもブランド力ではなく、個性的なデザインでその価値は不変です。
ただ古くさいだけでは、もちろん意味がありませんが、今でもそれを全く感じさせない彼らの感覚は絶妙です。
Ready Steady Go!でも取り扱っている英国人デザイナーJohn Moore/ジョン・ムーアのトゥ・ストラップ・ブーツ&シューズは、このまさにお手本となるべきデザインで、過去、どこかしらを真似たものを見かけた事はあるが、本物の価値観に勝るようなこんな発想は二度と生まれてこないだろうと思います。
過去、良いモノに実際触れたことがない人や興味がないひとにとっては、単なるモノとしてしかとらえられないかもしれないが、、今のようにパソコンで簡単にデザイン出来たり、情報やソースに満ちあふれていた時代ではなかったわけで、まさに天才と呼ぶにふさわしい彼らのずば抜けた個性豊かなオリジナリティ性に尊敬のひとことです。
個性あるものを着こなすには、その個性に勝るとも劣らぬ個性が不可欠。
だから、なかなかチャレンジするひとも出てこなくて、無難な選択に落ち着くのが世の常。
気がつけば、私にとって縁起が良いと思っている通算第555回目の後藤田ブログにふさわしい辛口?&スペシャルトークのお味はいかがでしたでしょうか?
記念バージョンで555回目をお祝いする意味も込めて、再び、イギリスナンバープレート登場です。
Have a nice weekend.