1994年 出逢い篇07 | 幸せネル子の奔放自在な日々-Viva la Vida-(気分で変わります)

幸せネル子の奔放自在な日々-Viva la Vida-(気分で変わります)

美エイジング、スピやら脳やら。大好きな斎藤一人さんのお話など。

※少し記憶が曖昧なところがあります

「なにやってんの」
顔を上げるとそこにいたのはシロだった。

「ブロック崩し…」

「って、遅っ!
ブロック崩しってこんなんじゃ面白くねぇだろ!」

シロはそう言って笑っていた。
私は多分一瞬で顔が真っ赤になったと思う。

憧れの数学の先生にノートを覗かれて、
「なんだこんな簡単な問題もわからないのか?」
と爽やかに笑われたみたいな気持ちになってしまっていたのだ。

おかしな話だが、算数の時点で完全に挫折、脱落を味わってきた私にとって、
理系の人間というのは尊敬の対象であるのと同時に
強くコンプレックスを感じるものでもあった。
(山下先輩と付き合ったのも、自分にはない理系の頭の良さが、
少しだけカッコいいと感じたというのもあった)

勿論、ブロック崩しに理系も文系も関係ないのはわかっていたが。

「いいんですこれで!速いとすぐ終わっちゃうから!」

「じゃあさ…」
シロはそう言って、ブロック崩しの画面を閉じて、
何やら他のゲームの画面を開いた。

「これやってみる?」
photo:05



xbombというよりは、マインスイーパといったほうが、
知名度が高いかもしれない。
photo:06


数字をヒントに爆弾のある場所を予測し爆弾マークを置き、
爆弾がない、と判断した場所をクリックして開いていくゲームだ。

これは初めてお目にかかるものだったが、
時間制限はあるものの、じっくり考えてできるゲームで、
私はこれがいたく気に入った。

実はこのあたりは記憶が曖昧なのだ。
マインスイーパをすすめてくれたのがシロだったのかどうか、
正直なところ、はっきりとは覚えていない。

でも、その後結局ゲームに飽きて、
キャスター付きの椅子で滑って遊んでいた私を見て笑っていたシロのことや、
シロが英語の課題をしている時に、
ちょっと覗きにいったら、
「ちょっ…!見るな!」
って怒られたのは覚えている。

シロがその頃、かなり英語が苦手だったのは印象深い。

課題を終わらせたのか、途中で放棄したのかはさだかでないが、
山下先輩とシロ、彼の友達たちは、そのうち工口画像を検索し始めていた。
いつの時代も男のやることは大体同じだ。
私はそれを静かに見守り、
なんだか色々あったようで、特に何もなかったともいえる、よくわからない時間を過ごした。

大学から歩いて山下先輩のアパートに戻ってからも、私の頭の中はシロのことでいっぱいだった。

また会えるかな…
そんなことをぼーっと思った。