アマチュアのライブというのはお客様に趣味の費用を負担してもらう特殊な趣味である | バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

いつもブログを見て頂きありがとうございます。

ここ数日のアクセス解析はとんでも無い数値になっており、本当に沢山の方が見て頂いているのだと思うと襟を正さなければなりません。

僕自身がアーティストでもあり、ライブハウス経営者でもあり、前職がハーレーダビットソンのセールスやBMWのマーケティングに従事していたこともあると思いますが、バンドという趣味は非常に特殊な趣味だと最近は特に思うようになりました。


以下写真はイメージで本文とは全く関係ありません。

例えば、自主的にゴルフにいくとして、その会費ないし参加費を誰かが負担してくれる?

船をチャーターして釣りにいくとして、それは誰かが払ってくれる?

ディズニーランドに行く時に誰かがお金払ってくれる?

バイクをカスタムするのに、誰かが払ってくれる?

カラオケ店で部屋をレンタルして歌うのは無料ですか?

趣味や娯楽というのは、お金が掛かるものであり、それを不思議と思う人はいない。

しかしバンドという世界をみてください。

例えば、うちでも使っていたシステムだったチケットノルマ1000x15枚でライブ出来ますというのがあります。

この意味は本来は¥15,000でライブの場所と音響や照明のエンジニアリング、演奏時間を貴方たちに有料でお貸ししますということです。

バンドメンバー5名とすると、ライブに参加する趣味の費用は¥3,000だということなんですよね。

その費用をお客さんにチケットを売ることで、相殺しているのがライブをするという趣味なのです。

もしもチケットをすべて売った場合はバンドの金銭的な負担はなくなりますが、それはお客様が趣味の費用を負担してくれているということです。

ここまでで分かりますよね。

チケットを売るということは、お客さんに対して相当な感動や楽しさを提供しなければならないということです。
お客さんはライブを見て楽しむことに投資しているのですから、演者が自分達が楽しいだけではダメなんですよね。

自分達の演奏で楽しむという趣味をお客さんがお金を出してサポートしてくれているのだということ。

だから、ステージに立つということは本当に尊いことだと思うのです。

だからうちのライブハウス オクトパスは2014年「チケット ノルマ」という言葉を廃止するように動くことにしました。詳しくはここをCLICK


そんな厳しいこと書かれたら、ライブなんて怖くて出来ないし、お客さんもおいそれと呼べないじゃないか!! 

というお叱りの声をうけるかもしれません。

しかし、事実として多くのアマチュア・バンドは自分達の練習の成果の発表を知人や親兄弟に見てもらっているという状況には異論はないでしょう。

それが悪いと言っているのではなくて、自分達の演奏の成果を観てもらうことも非常に大切だし、成長には絶対に必要なことです。

ですのでライブハウス オクトパスはチケットを売ることを意味づける「チケットノルマ」を廃止しようとしています。

その代わりにエントリーフィーという、ライブに参加する参加料を頂くシステムに変更していきます。

自分達の趣味でライブをするのだから、当然自分達の趣味の費用は自分達で支払うのが当然です。

ですので、当店では¥1000のチケットx15枚ノルマでライブ出来ます。
とは言わず。

¥15,000円のエントリーフィー(参加料)ということにしました。

ただ、参加料払ってライブをするだけはさすがに寂しい。

ですので、エントリーフィー¥15,000に¥1000のチケット20枚をつけてバンドに提供しています。
 ※エントリーフィーは興行内容によって変わります。

もしも、お客さんを呼びたければ、そのチケットを販売すればいい。

定価で販売するのが、おこがましいと思ったら、値引きして販売してもいい。

全部を招待券としてタダで配ってもいい。

それはバンドのスタンスで自由に決めればいいと思います。

ちょっと小難しく書きましたが、バンドでライブをする趣味は本当に素敵な趣味です。

だって、ゴルフを趣味にしている初心者が観客からお金をもらえますか?

しかしライブだったら初心者の貴方のライブをチケットを買って見に来てくれる人がいます。
これって本当に凄いことですよね。

自分の趣味の費用を友達や家族がサポートしてくれるって。

だからこそ、バンドでプロを目指す人は集客することを頑張るのは当たり前なんです。

チケットという商品を必死になって売るということは、洋服屋の店員が必死に洋服を売るために営業するのと同じことです。

僕がハーレーダビットソンという1台2~3百万円もするようなバイクのセールスをしていた時は必死でしたよ。

売るためには勉強も必要だし、店頭でバイクを磨いたり、POPを書いたり、ホームページやブログ、SNSを使ったり、お客さんに電話をしたり手紙を書いたりして必死にセールスしなければならないのです。

趣味でバンドをやることは、そこまでストイックにやる必要はないと思います。
楽しくやればいいと思います。

前記しているように、自分達の趣味の費用を自分達で支払って一旦は自分達で費用は完結させる。

チケットを買って頂くということをやるかやらないかは後から考えればいい。

僕自身も昨年まではライブは集客ありき、動員数、動員数とばかり考えていましたが、バンドでライブをすることを趣味としている人達というニーズは本当にそこにあるのか??

ライブをする人は全員プロ志向なのか?

そんなことを考えていて、気が付きました。

趣味なら趣味として、自分達で費用負担して思いっきり楽しめばいい。

これから、もっとバンドさん達からのニーズや意見を聞いて、まずはアーティストのニーズに立ったことを考えていきたいと思います。

今日はこの辺で。