友人達と滋賀県大津市で待ち合わせてホットでクールなグルグル祭り「山水人」
が催される滋賀県北部の山奥へむかった。
到着するとすでに夕暮れ。小雨も降る中テントを設営して一休みしているとダンスフロアからアンビエントミュージック
が流れてきた。
ビ-ル片手にDJブースを覗きにいくとCDが回っているだけでDJがいない。
「おや?どうなってんだ?」
予定時刻は過ぎている。どうやらゴアギル
は遅刻らしい。
焦ってもしょうがない。だってあの人は普段、インドに住んでいるのだから・・・。
フロアには待ちきれないといった感じで大勢の人達が集まっていた。僕らは少しぶらつく事に。
そうしてテントでラーメンを作って食べたりフリーマーケットに出店しているお店を見物する事4時間、ぶらっとフロアに戻ったら、ちょうどGOAGILがヘッドホンを耳に当てようとしているところだった。
全部で5日間の鴨川上流の清水を奉る山水人祭。その中で10日夜から、11日夜までの24時間はトランスタイム。しかもDJはたったの一人、インドのゴアに住むサンフランシスコ出身のアメリカ人GOAGILその人だ。僕がゴアで見かけたときは太ったただのおっちゃんだったのだが・・・。
ダンスフロアで突っ立ってビールを飲んでしばし鑑賞していると、ただ事ではないゴアギルDJセットを感じることとなった。
DJなので当然、曲と曲をつないでいくのだが、このドレッドヘアのおっちゃんの持ち時間は20時間強(遅刻したからね)もあるのに、プレイ初めて一時間もしたら、えっ、そんなにアゲちゃっていいの?というくらいゴリゴリの選曲が目白押しなのだ。
普通はもっと時間をかけて盛り上げていくものじゃないのか?
そんな僕の素人考えをよそにゴアギルのイケイケプレイは続いた。
それから一時間ほど踊ってから僕と友人達は数時間の仮眠を取るべくテントに戻ったのだった。
テントに戻ってからもダンスフロアから踊るのに充分なほどの音量が聞こえてくる。しかも最高潮なのでは?と思うほどの激しい選曲。
マラソンで言えばスタートダッシュ、ロックで言えばブレイクの連続、漫才で言えばカブセのカブセ。
大丈夫なのかゴアギル。
心配性の僕が心配しながら寝袋に入っていくと、現地で落ち合った西成在住の人生の大先輩がゴアギルばりのドレッドをかきあげながらこう言った。
「ホホホ(笑い声)、まったくゴアギル下品ですね~。ホホホホ、ホント下品な音だ。」
そう言いながら嬉しそうにホホ、ホホと笑っているのを聞いて、うん、そうだよな。と思った。
わざわざ人里離れた野外でバカでかいスピーカーから飛び出す爆音に痺れながら踊るのだから、下品なぐらいでいいじゃないか。
そう思うとダンスフロアから溢れ出る爆音に包まれながらもスっと眠りに入ることが出来た。
目覚ましアラームのセットはAM3:30である。