ついにこのエントリーを書く日が来てしまった。革細工ハウ・ツー・エントリーである。レザー・クラフトは大好きなのだが、彫金と同じく道具と工程の数がハンパないので、書くのをためらっていたのである。ちなみにこの記事に費やした時間は、写真撮影2時間、写真加工1時間、本文2時間、キーホルダー作成15分の合計5時間15分。分でいうと315分。秒でいうと18,900秒。
っていうか、レザー・クラフトというと男性がやるもの、と決めつけてはいないだろうか？
確かに革細工はハーレー系のゴツイイメージが先行しがちなのであるが、革の選び方と細工によっては、女性向けの可愛いポーチや、ペン・ケース、慣れてくればバッグ等が比較的簡単に作れる。お裁縫に苦手意識をもっている方も多いであろうが、革細工はお裁縫っていうよりも大工仕事に違いので、普段金属や石を扱っているアクセサリー作家さんには向いている。さらにアクセサリーを作っている方は可愛いチャームなんかも自作できる。是非とも気軽にチャレンジしてみて欲しい。
つか、私は女性のレザー・クラフト仲間を増やしたい！！！
ゴツイヤローばっかだよ！革細工やってんの！！！ったく・・・ｗ
「おりゃー！」とか「うぉっしゃー！」とか聞こえてきそうである。私は女子ノリでキャッキャキャッキャとした革細工が良いのだ。
さあ、みんなで(女子限定)ではじめようよ！
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そんなわけで今回製作するのはコチラ。簡単で可愛いキーホルダーである。
初歩的な工程を全部使って作った。コレが作れるようになれば、あとは道具の使い方の応用だけなので大抵の物は作れるようになる。
コチラは今回使った材料。なにがなんだかわからないと思うけど、これから説明します。
それでは、始めよう。レッツ・トライ！(←表現が古い)
(1) 革の切り出し
まずは好きな革を選ぼう。東急ハンズのレザー・コーナーなんか行くと色とりどりの綺麗な革が売っている。私は革選びがまず楽しい。
革は 革包丁 という道具で切り出す。
革包丁 の角を革に押し当て、写真のように引き切りする。専門的になると型紙なんかを使用するのだが、今回は入門編なのでフリーハンドで切ってみよう。
(2) 裏面のケバ処理と切り口の処理(コパ磨き)
切り出した革は裏面や切り口がケバケバしてて汚いので、薬剤を残布して綺麗に磨く。この工程をコパ磨きという。
使う薬剤はコチラ。 トコフィニッシュ、もしくは トコノール である。
トコフィニッシュ、もしくは トコノールを革の裏面全体に散布して、半乾きのまま ガラス板 で磨く。
裏面の トコノール が乾いたら次は切り口(ヘリ)を処理する。写真は ヘリ落とし と紙やすり。
ヘリ落とし で革のカドを軽く削り、ヤスリで磨く。余計ケバケバするように感じるだろうが、構わない。カドを丸い形にする。
革のカドが取れて切り口が滑らかになった。
次に トコノール を散布して切り口を磨く。これでケバケバが固まり切り口の処理は完了である。
(3) 革の穴あけ
次に革に穴を開ける。穴が空いていないと革には針も通らないし、ボタンを取り付けることもできない。この工程から突然大工仕事になる。
これは縫い溝を掘る ステッチング・グルーヴァー という道具。革細工師の中では「使わないよ」という方が多いのだが、私はステッチを可愛く強調したいので使う。少数派の方が作品にオリジナリティがでるのでね。
ステッチング・グルーヴァー を革に押し当て、縫い溝を掘っていく。
縫い溝が掘り終わるとこーなる。
次に縫い穴を開ける。当然だが革に穴を開けなければ針が通らないのだ。
穴を開ける 菱目打ち という道具。
縫い溝に沿って 菱目打ち を当てハンマーで叩き穴をあける。けっこう大きい音がする。夜は近所迷惑なのでやらないほうが良い。
縫い溝に沿って、穴が空いた。
ボタンとお花のチャームを取り付ける穴を開ける ハトメ抜き という道具。
穴を開けたい位置に ハトメ抜き を当てハンマーで叩き穴をあける。けっこう大きい音がする。夜は近所迷惑なので(以下略)
これで穴あけは全て完了である。
(4) ステッチ縫い
次にステッチを縫う。布のお裁縫だと『縫う』という行為は『布と布をつなぎ合わせる』という意味合いが強いが、革細工の場合ステッチも重要な装飾である。ざっくりとしたステッチが入っているレザー・クラフトはナチュラルで可愛い。
こちらは革細工ソーイングセット。略してカワイソ(←今、勝手に命名)。
麻紐 をテキトーな長さに切り出し、 ロウ を引く。麻ひもはケバケバしているのでそのケバケバを固定するのだ。
針に 麻紐 を通す。ここまでは普通のお裁縫を同じ。
通した 麻紐 を針に2重に指して、下側に引くと 麻紐 が針に固定される。
麻紐 の両端に針を固定し、二本針にする。
縫い方が少々特殊である。図のように八の字縫いをする。
縫い終わったら 麻紐 を革の裏側で結んで、縫い方は完了である。
(5) ボタンとチャームの取り付け
最後の工程。またもや大工仕事。ボタンとお花のチャームを取り付けよう。
写真は 打ち台、 ホック打ち。
固定原理は 打ち台 の溝に ジャンパー・ホック を置き、ホック打ち で ジャンパー・ホック の中の金具を潰すというものだ。
革に取りつけて、憎しみを込めて叩く！
誰を思い浮かべてもいいが、憎しみを込めて叩く！
(6) 完成
できました。
輪っかを通してボタンをパチンと閉じて。
完成！でございますよ～。
いやあ・・・このエントリーはしんどかった・・・。
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