このエントリーは、明日になったら消します。
走り書きなので、文章がおかしい点はあしからず。
(2014/3/12 0:19 追記:記録として残したほうがいいというご意見をいくつか頂きましたので、書いた当初は消すつもりではありましたが保存いたします。つたなく、感情的な文章ではありますが、ご一読頂ければ些少ですが当時の状況が伝わるかもしれません)
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いっつもふざけているのでたまには真面目なことを書いてみる。
東日本大震災から今日でちょうど3年、らしい。
そうか、もう3年も経つのか、と感慨もひとしおであることだろうし、過去の災害を忘れずに今後に役立てて行こうというのは大変結構なことである。
衝撃的な映像、飛び交う憶測と被害情報、福島第一原発の事故、放射能の影響、津波の被害者。連日繰り返されたマスコミのセンセーショナルな報道。
日本国民のみならず、世界中がいろいろな気持ちでそれを目にしたことだろう。中には『天罰』なんていう人もいた。それはそれでいいだろう。一つの意見だ。
私はそういう人とは友達にはなれないが。
しかし、3年前の今日?
年数、日時に意味があるのだろうか。なんかの記念日でもあるまいし。
今日はクリスマスでも、お正月でもバレンタイン・デーでもない。
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あの日、私は仙台で広告屋のデザイナー兼、OLとして働いていた。
仕事が押して昼食時間にランチが食べられなかった。週末であり、夜に約束もあったので、仕事をさっさと片付けたかったのだ。そしてなによりデザイン業界は年度末が忙しい。
作業が一段落して14時30分頃に遅めの昼食に出た。3時半に会社にもどればいいな、と思ったことを覚えている。
近場のファミリーレストランに入り、いっつも食べている定番のメニューを注文した。私は今後の仕事のこと、今日デートする約束がある男の子のことなどをぼんやりした頭でのんきに考えていた。
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ウエイトレスさんが私の座っているテーブルに注文の品を運んできたとき、それは起きた。
口舌尽くしがたい状況だったので詳しい表現は慎む。
店内の電気は一斉に消え、倒れるものはすべて倒れた。動くものがすべて飛んだ。
世界中の悲惨な音、すべてのネガティブな音が聞こえた気がする。食器の割れる音、悲鳴、何かが壊れる音、自動車事故の音、何かがひずむ音。
その他もろもろの考えたくもない程のおぞましい破壊音。
当たり前だが、食事どころではなかった。もう店内はめちゃくちゃで、私の頼んだ品なんかどこにあるかすらわからない。
私は混乱する頭でレジに行き支払をしようとしたが、店員さんもパニックで会計どころではなかった。そもそも電気がとまったのでレジが動かない。
私は震える声でおつりは結構です、と言い、1000円札をレジにおいて店を出た。
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会社に戻るとそこにはもう誰もおらず、社内は壊滅状態であった。
滅茶苦茶になった職場で、こんな時なのに「来週納品の仕事どうしよう、今日あすこまで進まなきゃ間に合わない・・・」という考えが浮かんでいた。
何もかもが唐突に起こったので、なにをどうしたらいいのかわからなかった。
会社指定の避難場所へ行くと、会社のメンバーがそこにはいた。怪我人はないようである。
おりしも3月の寒い日であった。朝からチラついていた雪がさらに激しくなっているように感じた。
安全確保の為帰宅し、自分と家族の安否確認を最優先にせよとのボスの指示が出た。すでに携帯電話はつながらない。別の場所にいる家族がどこでなにをしているのかも知りようがない。路上ではたくさんの警官が交通整理を行っている。
避難場所に入りきれない人々は道路の中央分離帯に避難していた。
ビルの下の歩道にいると、余震で窓ガラスが割れたときに危険なのだ。
私はコートのフードを深くかぶり、雪でぬかるむ歩道を、よろけながら同僚と共に駅へ向かった。
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駅に到着するとそこは人でごったがえしていた。
思った通り、電車は動いていない。駅員さんが復旧の目処が立たないといったようなことを大声で叫んでいる。
このとき、その場にいた人たちは全員状況がわかっていない。
携帯はつながらない、テレビも写らない、すべての電力供給と通信が死んでいる状態では情報が知りようがなかった。
私は何度も家族の携帯電話を鳴らしていたが繋がらない。
私の家は海沿いだったので、大地震=津波という考えはあった。
しかし、過去にそれなりに大きい地震があったとき、仮に津波警報がでた際にも「10㎝の津波」という程度であったので、大丈夫だろう、とたかをくくっていた。
あとで知ったのだが、この時間にはすでに津波が到来していた。
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多分その場の誰かが電池式のラジオを持っていたのだろう。
荒浜で300名の遺体が見つかったとの情報を誰かが口にした。
私の家は荒浜の近くにある。
皆、半信半疑であった。自分で見たネットやテレビの情報ではない。いつも溢れかえっている情報がその場にはないのだ。今のそんな状況下で、そんなとんでもない情報を信じろというのは無理な話である。
それはデマだろうと言う意見がその場では多数を占めた。
私はずっと携帯をガチャガチャといじっていた。何度も何度もかけるうち、やっと母の携帯の呼び出し音がした。
母が電話に出た。ほっとする一方で母の周りの状況がおかしいことに気づく。
なにやら大声で叫んでいる人の声がする。クラクションの音も聞こえる。
「みんなで逃げてるから!今!歩・・・」
電話が切れた。
その後、何回コールしても電話がつながることはなかった。
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家族は心配であったが、電車は動かないし徒歩では帰れる距離ではない。しかたなく職場の近くにすむ友人の家に泊めてもらうことになった。
この時の私達には本当に情報がなかった。
あったとしても、信じられないような情報ばかりでデマだろう、とタカをくくっていた。
実際にデマの情報もたくさんあったからだ。
おそらく他の地域の皆様のほうが、この時点では我々当事者よりも多くの情報を持っていたのではないかと思う。
それほど大事になっているとは露ほども思わず、疲れきっていた私達は余震に怯えながら身を寄せ合って眠った。
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翌朝も余震は続いていた。水道も出ないし、まずは水と食料を確保したほうがいいということになり、車でショッピングセンターへ向かった。
ショッピングセンターは店を開けないで食料を配給制のような形で配っていた。
そこで、津波で何千人も被害にあってるらしいという情報を聞いた。
それだけは確からしい。
私は気を失いそうになった。
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危険だから行かないほうがいいという友人を振り切り、歩いて自宅方面に向かうことにした。
何時間かかってもいいと思った。
2時間程、歩いただろうか。タクシーを見つけた。
幸いなことに昨日デートの約束であった私の財布には5万円が入っていた。
タクシーの運ちゃんに、これで一日私に付き合ってくれといい、その5万円を握らせタクシーに乗り込んだ。
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いつもの道が通れなくなっていた。
自宅に近づくにつれ、普段の見慣れた景色とは思えない光景が目についた。
それでもここらへは津波は来ていないようである。私は安堵した。
迂回を繰り返し自宅に着くと、自宅はちゃんとそこに立っていた。
しかし、その1ブロック先は泥だらけだ、自宅はギリギリ津波の被害を免れたようである。
だが、家には誰もいなかった。
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私はふたたびタクシーに飛び乗り、避難所へ向かってくれるよう依頼した。
3件目の避難所で家族を見つけた。
全員無事であった。
聞けば、孫達(兄の子ども達)を保育園に迎えに行く途中に、津波に襲われ、歩道橋の上に避難し、一晩を明かしたらしい。
歩道橋の上には100人以上が避難し、下には津波の水が流れ母は孫達に流れてくる色々なもの(それこそ、いろいろである・・・)を見せないようにしていたということだった。
歩道橋の上にはお年寄りも何人かいたようである。
そのうちの数人は寒さに耐えきれず、体力も尽き、横たわり、そのまま目覚めなかった方もいらっしゃったと聞いた。
凄惨な状況ながらも、ともかく、私の家族は無事であった。
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そこから、悲しいことが沢山あった。
ひとつだけ書いてみる。
あまり詳しく書きたくないので、かいつまんでかく。
同僚の一人は新婚で、生まれたばかりの赤ちゃんが居た。
あの日から、奥様とお子様の行方がわからなくなり、彼はずっと探し続けた。
一ヶ月くらい探した。
それから彼は職場に復帰し、さらに数週間くらいたったのち、奥様のご遺体だけが発見された。
お葬式には大きい棺と、ちいさい棺。
ちいさい棺はからっぽであった。
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他にも本当に本当に色々なことがあった。
あの年は、お葬式に何回も行った。
前述したように、ご遺体のないままのお葬式もあった。
遠い昔のことのようでもあり、ついこの間みたいな気もする。
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あの日、デートの約束をしていた男の子ももういない。
だから、今日で3年目だからと言って、ことさら騒がないでほしい。
毎日、ことあるたびにそれを想っている人もいる。
なにかの折に、思い出したらちょっとだけでもいいから、考えてみてほしい。
私は行方不明になった友人達が、どこかの無人島に流れついて、毎日キャンプでもしながら楽しく暮らしているんだ、と夢想している。
そうとでも思わないとやりきれないことが多すぎる。
草々。
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