からだに携わる方々とお話しする機会があると

「これは○○だから、△△なんだな」

…と原因と結果を見つけようとしがちになります。
不思議ですよね!つい確実に理解しようとしてしまう。


確かに原因と結果があったりするんだけれど
全部が全部、頭でそうやって理解できるほど
からだは機械のようにできていません。



夏にアメリカで行った筋膜の解剖ワークショップでも
筋膜の癒着やねじれを見かけた時に

「これはここが○○だから、こうなったんだろうね~」

と、ついつい私たち生徒はつながりを持たせようとしてしまっていたのですが
先生の答えは常に

「そうかもしれないけれど、違うかもしれない。
 この人に聞くこともできないし、わからないよ。
 ただわからるのは、今ここで見えていることだけ」


…との答え。


それは生身の人間でも同じだと思います。


クライアントの中には

「ここの怪我が原因でこちらが痛いんでしょうか?」

…と関係性を知りたがる方も多くいらっしゃいます。


場合によっては、クリアに説明できることもあると思いますが
多くの場合、
「それも原因のひとつだし、他にも原因となるうる要素はあると思います」
というのが、答え。



例えば、寝違い。
変は風に寝てしまって、首が痛い。
などの経験、みなさんもあるんではないでしょうか?

その時、“へんな風に寝てしまったから”と思う方が多いのですが
実際には、その痛みが生まれる要素はもっと前から始まっています。
“へんな風に寝てしまったから”、ただ痛みが表面化した

…という感じです。


ソマティックエクスペリエンスでは
“トラウマは、過去の出来事に眠るのではなく、神経系に眠っている”
…といいますが

ロルフィング的にこの言葉を直すと
“痛みは、過去の出来事に眠るのではなく、筋膜系に眠っている”
…という感じ。


これがあったから、こうなった…というのは、
人間のからだは
心も思考も関係しているし、過去も関係しているし
断定することは難しい。


全部関係しているんです。
私たちの今のからだの状態は
過去の集大成ですからね☆



だから、原因を見つけようとすると
すごく大変。
そしてもし、見つけた気になっていても
そこはひょっとしたら昔は原因だったかもしれないけれど
今は違うかもしれない。
大切なのは、今結果として起こっていることを
どう改善できるのかということ。

その過程の中で
知らないうちに様々な原因に触れることになるんですよね。