帯留「水月」の件7。 | 根付・帯留 鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ

帯留「水月」の件7。

鹿正洞で進行中の、
帯留「水月」の件。
前回からの続き。



「染め付け」。



まず。
水牛角の断面に点々と出た「白い芯」を、
象嵌した鼈甲に馴染むよう
黄色に染める。

それから、埋め込んだ鹿角を古色に。
土台に負けないよう、
今回は幾分しっかり染めてみた。

根付・帯留  鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ-サイズ1

完成。

サイズは高さ38mm x 幅29mm 厚さ13mm。
素材は本体が水牛角。
鹿角と鼈甲を象嵌。










出来上がった細工を観察してみよう。


正面。

根付・帯留  鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ-正面

瓢箪徳利のシルエットに切り抜かれた、
暗い夜の水面。
切れ切れに揺らぐ、三日月。
奥から点々と続くのは、
対岸の灯か。鵜飼の漁火か。

近景には太鼓橋。
荷を背負って、橋を行く者。

「水月」とは、水に映る月のこと。
オーナー当方揃って稽古する
古武道流儀の口伝。














裏面。

根付・帯留  鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ-裏面

紐通しは太鼓型。
こうすると各エッジは鈍角となり、
帯や帯締を傷付けにくい。

ブリッジ上に銘。
















側面。

根付・帯留  鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ-側面

紐孔はこんな感じ。
平打/丸打いずれの帯締もOK。

















スリークオーター。

根付・帯留  鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ-スリークオーター

ピアノっぽい。












帯締を通してみる。

根付・帯留  鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ-ユーセージ

ん、悪くない。








次は「共箱」の用意。

続く。


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