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2017年02月24日(金) 01時30分01秒

置物「月食み【つきはみ】」の件1。

テーマ:工芸/アート関連
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ストラップ根付「月下牡丹」
のオーナー様より、
置物の御注文を頂いた。

御題は「獏」。
「『月下牡丹』と対を為す細工を」
…との御依頼。

「月下牡丹」は「安眠安息の御守り」
として拵えたもの。
「牡丹」から滴る雫は
獅子の身に巣食う虫を殺すと謂われ、
故に獅子は牡丹花下を安息の場所とする。

「獏」は、中国生まれの幻獣。
鼻は象。目は犀。
胴は熊。
四肢は虎。尻尾は牛の如し。
悪夢を喰らう、縁起物。
根付のモチーフとしても定番。


割合ファニーに表現されるケースが
多い「獏」なのだけれども。
本作にはオーナーさんの安眠を守る
のっぴきならぬ責務が有るし、
また相方の「月下牡丹」と釣り合わん
細工では対にも成らん。
ここは一つ、
バリバリ気合いの入った「獏」を彫らな。



...という訳で、こんなのが降りた。




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置物「月食み【つきはみ】」。

月。
月は只々美しいばかりではない。
一定周期で繰り返される月の運行は、
地上の潮流や気象を操り。
また人の心をも支配すると謂う。
時計の月齢表示「ムーンフェイズ」は、
中世欧州の権力者達が
民衆暴動の起き易い時期を把握する目的で
作らせたもの。
月が満ちれば、人心も荒む。
荒んだ心で良い夢が見られようか。

人の悪夢を喰らい、
喰らい尽くしても足らず。
人心不穏の根源たる、
月をも喰らう「獏」。
月が欠けるのは、「獏」が喰うから。


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長くくねる鼻。
貪欲さが滲む眼光。
大きな牙。
身体要所に巻房毛。
がっしり踏ん張る四肢。

寸法は「月下牡丹」に近く着地させたい。
素材は敢えて、黒水牛角。
相方の白牡丹に、本作の黒獏を当てる。

喰われた上弦の「三日月」は黄水牛角で。
漆黒の地に、明るい黄が映える筈。
目玉は象嵌。白牛角辺りで
生々しく拵えるのが良さそう。
牙は鹿角。
僅か覗く口中は、真っ赤に染めよう。
「獏」の食欲を暗示する要素。

専用の花台を拵えて
「月下牡丹」と並べれば、
一双の屏風になる。

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枕元の飾り棚にでも置いて
お休み頂ければ、
良い夢が見られよう。


そんな意匠。



依頼者さんの「GO」を賜り次第、
細工に入る。

続く。




**************

 

 

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2017年02月12日(日) 04時00分00秒

根付「いねが」の件10。

テーマ:工芸/アート関連

鹿正洞で進行中の、

根付「いねが」の件。

前回からの続き。

 

 

 

「共箱」の用意。

 

 

 

桐箱ゲット。

 

蓋に「箱書き」なぞしたためる。

書体は「なまはげ」の怒号っぽく。

 

 

たまには裏も見せよう。

日付を入れてる。

 

実は今回、初めて箱を

「横向き」に使っている。

木地繊維が水平なもんで、

筆の走りがいつもと違う。

 

じゃあ今回どうして

こうしたか?と言うと。

 

箱のインテリアがこうなってんの。

 

 

落とし箱。

この細工横長だから、

箱も横使いが馴染む。

 

保管だけじゃなくて、

このまま「ディスプレイボックス!」

になるというアイディア。

 

「なまはげ」ってのは、

藁蓑着てるでしょ。

あの感じを表現してみた。

 

あと、底には東北らしい

雪んこ絣の藍木綿。

「なまはげ」にはこれが似合うと思う。

 

 

 

同じ藍木綿で、御布団を縫う。

 

 

これ上から掛けてやらんと、

中で細工が暴れるから。

「なまはげ」だけに。

 

 

 

 

ん、一式揃った。

 

 

本件これにて落着。

 

次に参る。

 

 

**************


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2017年02月11日(土) 05時09分31秒

根付「いねが」の件9。

テーマ:工芸/アート関連

鹿正洞で進行中の、

根付「いねが」の件。

前回からの続き。

 

 

 

「組み立て」。

 

 

別造の「目玉」と「角」を

組み付けて、完成。

 

 

サイズはW61.5mm x H37mm x T22mm。

 

素材は「顔」が鹿角。

「鬣【たてがみ】」が黒水牛角。

「目玉」に黄水角/鹿角/黒水牛角。

「角」に牛角。

 

 

 

この細工は「顔」と「鬣」が別体構造。

 

 

所謂「鏡蓋」の体裁になってる。

 

 

 

 

さ、完成した細工を見て参ろう。

 

 

 

まずは各図面ビュー。

フロント&リアビューから。

 

 

「泣ぐ子はいねがー!」

「言う事聞がね子はいねがー!」

 

吹雪の晩。

鬣【たてがみ】振り乱し、

怒号と共にやって来る

「なまはげ」。

 

太い角。

爛々と光る、大きな目。

無闇な方向に突き出た牙。

凶暴で禍々しい風貌。

鬣にこびり付く雪。

 

この「顔」。

まずかなり俯【うつむ】いた

「上目遣い」となっており。

更に僅か左を向いている。

これを完全な立体で彫るのであれば、

顔には自動的にパース(遠近)が

掛かるのだけれど。

材や使用上の制約から、

今回は厚味を抑えた「半立体」。

なので、顔の向かって左半分を

小さく作ることで

奥行きを擬似的に表現した次第。

「牙」や「角」もこれに同調するよう、

一透視図的に配置/造形してある。

ここが今回特に腐心した部分。

 

裏面はあっさりと。

 

紐孔の縁に鹿角で補強。

「銘」もここ。

 

 

 

 

 

 

続いてサイドビュー。

 

 

厚味はこんな感じ。

 

「角」や「鬣」の先端は

全て内側に抑え、丸めてある。

牙も突出しない形状。

 

「顔」は「鬣」のウロに

すっぽりと収まっており、

全く露出しない。

耐久性の有る染めがしにくい鹿角だけど、

この条件ならイケそう。

 

「鬣」の雪。

雪ってのは、

均一に乗るのではなくて。

こうして「ダマ状にへばり付く」もの。

角粉を蒔いて表現してみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スリークオータービューx2点。

 

 

各部に施した造形処理を御覧あれ。

 

「顔」の俯き加減や、

目鼻の造作が実は平坦であることが

お分かり頂けるかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各部アップ。

 

まずは顔周り。

 

 

黄色く濁った目玉。

眼力ハンパ無い。

 

薄汚い牙。

乱杭歯。

歪んだ唇。

 

「なまはげ」の面てのは、

バキバキ基調の木彫りで

表現されるのが一般的。

今回これを、

「どこまで生き物っぽく拵えるか?」

...が思案のしどころだった。

僕が出した結論は、

顔の基本的な骨格には

そうした幾何学形態を踏襲しつつ。

口周りには有機的な造形を

採用する...というもの。

 

目玉の周りと口の中は、

「透かし」になっており。

中の暗い空間が見えている。

 

 

 

 

続いて「角」と「鬣【たてがみ】」。

 

 

「角」には、「襞【ひだ】」と

ウシ科の動物っぽいツートンカラーを

奢ってみた。

これらはスケッチには無かった仕様。

 

 

強風に暴れる「鬣【たてがみ】」。

置物「富勢坐留」で開発した

「猿毛彫り【ましらげぼり】」を採用してみた。

細かい乱れ毛が浮いて見える。

 

 

 

 

 

 

さて、この細工。

どう使うのかと言うと、こう。

 

 

「顔」の中で結んだ緒が、

背面の紐孔からスッキリ出る。

 

中に仕込んだ水牛角製の「へそ」は、

無くても成立すんだけれども。

有った方が、根として確実だから。

 

 

 

 

 

 

帯に掛けると、こうなる。

 

 

すんげえ存在感。

 

 

 

今回の撮影もなかなか難儀だったわ。

この子は僕程度の撮影技術じゃ、

易々と撮らせてくれない子。

 

 

 

 

 

次は「共箱」の用意。

 

続く。

 

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2017年02月10日(金) 04時43分10秒

根付「いねが」の件8。

テーマ:工芸/アート関連

鹿正洞で進行中の、

根付「いねが」の件。

前回からの続き。

 

 

 

「染め付け」。

 

 

 

プランに沿って、各部を染める。

 

 

ガラッと雰囲気変わるわね。

これを意図してた。

 

まず「鬣【たてがみ】」は、

毛髪が浮いて見える「猿毛彫り【ましらげぼり】」。

 

「顔」は全体を堆朱みたいなドス赤に。

牙は白く抜いてから、薄汚い感じに染める。

 

「角」はウシ科の動物に見るようなツートン。

 

「目玉」は裾んとこを汚く濁った感じに。

 

ん、納得。

 

 

 

 

次回「組立て」て、千秋楽。

 

続く。

 

 

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2017年02月08日(水) 23時58分18秒

根付「いねが」の件7。

テーマ:工芸/アート関連

鹿正洞で進行中の、

根付「いねが」の件。

前回からの続き。

 

 

 

「研磨」。

 

 

 

全面磨く。

 

 

最初の画像に写ってる、

「豚の鼻」みたいなのは

緒を結ぶ「臍【へそ】」。

緒の結び目を大きくすりゃ、

中で十分「根」になるんだけども。

これが有った方が、まあ安心。

絶対すっぽ抜けないから。

 

あと「角」にスケッチ段階では

計画してなかった襞【ヒダ】を追加。

 

裏面の紐孔に鹿角で縁を付けた。

これは補強が主目的。

応力掛かった時、

繊維に沿って牛角に

クラック入るのを防ぎたい。

 

同じく裏面に「銘」スペースを象嵌。

「銘」も切ってしまう。

裏とか「鬣【たてがみ】」の中まで

隈無くジャダーを除去。

 

この工程で10日所要。

この細工は割合表面積多いし、

ウロの中とか磨くの確かに

大変だったんだけど。

この先の工程計りながら、

そういう細々したこと

色々やってたもんで、

時間を食った。

 

やれやれ...。

 

 

次は「染め付け」。

じきに千秋楽

 

続く。

 

 

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