根付「鍾馗捜鬼図」の件7。 | 根付・帯留 鹿角細工工房「鹿正洞」ブログ

根付「鍾馗捜鬼図」の件7。

鹿正洞で進行中の、根付「「鍾馗捜鬼図」プロジェクト。
前回からの続き。


「面張り」。



造形が終わったばかりの各面は、
まだデッコボコ。
これを一枚ずつ、ピンと張り直して行く。

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今回ほど、この「面張り」という工程の意味を
説明し易いケースも無かろうと思う。
前々回の画像と見比べて欲しい。


三次元に於ける「カタチ」というのは、
即ち「面で囲まれたボリュウム」のこと。
「カタチの操作」とは、
即ち「面の操作」を意味する。

面を綺麗に張ると。
隣接した面との境界=キャラクターライン(稜線)も
綺麗にスムージングされる。

全ての面を残さず張ることで、
カタチは細部に到るまで
隈無く演算し直され。
ジャダーやノイズが除去される。

どんなに小さな面であろうと、
そこには製作者の「計画」と「意図」が有る。
長期掛けて鍛え上げた、
「鋼のような美学」を以て
これを遂行しなければならない。

世間の「芸術」に対する理解は、
根本的に間違っている。
「成り行き」と「偶然」に任せてカタチを為すことを
「造形」とは呼ばないし。
そんなもんは「芸」でもなければ「術」でもない。

僕は「才能」というものの存在を一切信じないし。
よしんばそれがどこかに有ったとて、
それはそんな「自動的」で「お気楽」な機能では
断じてない。





「面張り」完了。

次は「研磨」。
張り終わった各面をピカピカに磨き上げる。
何とか一気にやっちまおう。


続く。


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