葡萄生産物のラベル表示等に関する規制 その2
葡萄生産物のラベル表示等に関する規制 その2
「ラベル表示および外見」に関し
ラベルとエチケットは同一か?
ワイン愛好家の間では、ワインのラベルとエチケットは同意語として語られることが多いようです。しかし、葡萄生産物のラベル表示等に関する規制をエチケットに関する規制と捉える解釈は曲解と思われます。
ラベルに関する定義は前述のように定められています。しかし、エチケットに関する定義は当然のことながら定められていません。
エチケットに関する定義などは無いのですが、私が勝手に定めると、
「ワイン容器(主として瓶、ポリ容器、紙パック等)に貼付された商品名、商標等が表記されたラベル本体。例外的にラベルを用いず瓶やポリ容器に直接印刷されたたデザイン。表ラベルと表記されることもある。」
といったところでしょうか。ワインに貼付されるラベルは各種あるのですが、バック・ラベル、肩章ラベル、補助ラベル等はエチケット外の各種ラベルとも呼ばれているようです。
エチケットをネットで調べると元々正札、荷札等の意味であったとされます。ある物の内容、値段、宛先などを示すために、その物の前につけられたマークや数字とされます。 正札は定価が記された札。現行はバック・ラベルにバーコード表示がなされたものを見かけます。荷札は「商品情報」が表記されたもので、現行のエチケットは荷札の意味合いが強いものと思われます。
まあー、何のことはないエチケットとはコレクターが集めているワイン・エチケットとお考え下さい。
要点は 「商品名が表示されたラベル」であり商品識別情報です。
こちらは商品名だけのエチケット。ヴィンテージの表記は裏ラベルに。エチケットの絶対的記載事項は商品名ということがお分かりいただけるかと。
ヴィンテージだけ別ラベルというのはブルゴーニュの少量生産者のワインによく見られます。下のエチケットもヴィンテージは裏ラベルに表記しています。
又、商品名とヴィンテージ。商品名とヴィンテージとオーナー名。
デザインに特色のあるもの等多種多彩です。
EUの統一基本法の性格を有する所謂EUワイン規則が、各ワイナリーが販売促進のために多大な労苦と資金を投入して築いてきたエチケット・デザインに対し、品質表示を追加表記させる必要性はなく、また、品質表示の義務化は各国の賛同を得られるはずもありません。
消費者に一読した限りで明確に表示されるように、ワインの表ラベルであろうが裏ラベルであろうが纏めて表記されていれば十分なのです。規定上は原則として表ラベルへの表記とされていますが・・・・。
ラベルの形式をもって表記すれば良いだけですので、所謂バック・ラベルとして貼付することも、表ラベル(エチケット)に表記してもOKとなります。
エチケットそのもの(表ラベル)に対して、EU域内では法的に表記を義務付けしたEU理事会規則やEU委員会規則はありません。
ワイン名については絶対的記載事項にも、任意的記載事項にも登場しません。既存のラベルに追加表記しても、専用の品質表示ラベルを別途貼付しても良いのです。単純に既存のエチケット(表ラベル)等にどのように品質表示を行うかの規定ですから・・・・。
表現を変えるとエチケットは商品識別情報であり、ラベル表示規定は品質情報となります。
もともと別物なのですね。商品販売促進のために多額の投資をしたエチケット・デザインに無粋な品質保証文を表記せよとは言えないでしょう。
ラベル表示規制の義務的記載事項が表記されたラベルが正式なエチケットなどと主張される方もいらっしゃるようですが前述のように法解釈にいささか無理が・・・・。敢えて問題点を述べると・・・・。
1. 義務的記載事項のみをシールとして貼付されている場合にワイン名もな
いのにエチケットと呼ぶのでしょうか。
2. ラベル表示規制の義務的記載事項と妊婦に対する警告マークが別ラベル
に表記・表示されている場合にどちらが正式(法的)なエチケットになるの
でしょうか。
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